小説 「ホルモー六景」 感想
小説「鴨川ホルモー」読んで映画も見てすっかり嵌ってしまったので「ホルモー六景」も読んじゃいました。「鴨川ホルモー」のサイドストーリとして結構面白かったです。京都大学青龍会以外の物語が楽しめます。逆に「鴨川ホルモー」読んでなかったり、あまり好きでない人にはなんでもない小説です。
高村くんのちょんまげの謎が第六景「長持の恋」で明かされてそこはかとなくジーンと来ます。この第六景では映画に登場していた高村くんの彼女になる細川珠美ちゃんもちゃんと出てくるんですね。また映画では楠木ふみがバイト先の制服で登場するシーンがありますが、第二景「ローマ風の休日」でアルバイトしているのが描かれます。
あいかわらず登場人物の名前は歴史上の人物名を流用しているのがいいですね。
第一景「鴨川(小)ホルモー」は京都産業大学玄武組の彼氏作らない同盟(?)の定子と彰子のお話。それぞれ清少納言と紫式部が使えた中宮ですよね。しかも定子が好きになるのはバイト先の一条くんと一条天皇からでしょ?。道長時代ですね。平清盛をひっくりかえしたような玄武組の部長さん清森平は映画版で名前ちゃんと出てました。
第二景「ローマ風の休日」では楠木ふみのバイト先の店長がプレイボーイの在原さん(業平ですね!)でそのお店に彼が二股をかけている伊勢さんと二条さんが遣ってきます。おそらく伊勢斎宮恬子内親王と二条后こと藤原高子だと思います。「伊勢物語」ですね。楠木ふみが「少年」とよぶバイト先の聡司くんは誰の名前からだろう?
第三景「もっちゃん」に登場するもっちゃんは読んでたら途中でうすうすわかる実在の人物ですしね。このときは立命館の和泉くんが四条烏丸の会を取り仕切ります。
第四景「同志社大学黄竜陣」では芦屋の元カノ、巴が出てきます。巴御前かな?そして同志社大学の教授には桂大五郎なる幕末の志士ふうの名前。
第五景「丸の内サミット」には井伊直子、酒ちん、榊原康、忠やんといった徳川家の武将名が。徳川四天王の井伊直政、酒井忠次、榊原康政、本多忠勝からでしょうか。あまり書くとネタバレになっちゃうので・・・
第六景「長持の恋」では高村君の彼女立命館白虎隊の細川さんとチームメイトの黒田くん。戦国武将でいましたよね。細川さんは「たま」みちゃんなんで元ネタはガラシャさんでしょうね。もう一人いるのですが、これも書きすぎるとネタバレになるのでこれくらいに。
実在の京都の地名を舞台にしているので、関西に住んでいる私には、舞台の距離感がリアルに感じられ読みやすかったです。青春小説としてこれはアリかな、という感じで結構面白いですよ。
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