アニメ ソードアート・オンラインII 第23話「夢の始まり」感想
学校に行きたいというユウキの想いを叶えようと一生懸命になるアスナ。そんなユウキと触れ合ううちに、自分も母親に想いを伝える決心をします。想いを伝えるには自分の想いのつまったオンライン世界でという事ですね。学校の先生やクラスメイト達もユウキを好意的に受け入れてくれて、アスナの通っている学校がすごく素敵なところなのが良かったです。
キリトはただのネトゲ神ではなく現実世界でも着実に技術を身に着けていて、なんたるチートな主人公なんでしょうね。AIのユイちゃんに現実世界を認識させる為に勉強していたメカトロニクスが終末医療に役立つものになるとは。
「ほう、紺野さん、よかったらこれからも授業を受けに来たまえ。今日から芥川の『トロッコ』をやるんでね。あれは最期までいかんとつまらんから」ユウキに授業を見学させるまえに先生に挨拶に行くアスナ。肩にはユウキが現実世界を認識する為のデバイスがセットされています。快くユウキの授業参加を受け入れるアスナの先生がまたいい人なので心が温まります。しかも授業中の朗読にユウキを指名して授業に参加させるあたり心憎いです。クラスメイト達もものめずらしさもあるんでしょうが、みんな積極的にユウキに関わろうとして嬉しくなります。ユウキが『トロッコ』を朗読するだけでなんか泣けてくるよ。ユウキ(中の人悠木碧さん)朗読もうまいですね。
「この家で暮らしたのは、ほんの一年足らずだったんだけどね。でも、あの頃の一日一日は、すごく良く覚えている。あの庭でいつも姉ちゃんと走り回って遊んでた。バーベキューしたり、パパと本棚作ったりもしたよ。楽しかった」アスナと学校にいって、今日の事は絶対に忘れない、と悲しい事を言うユウキ。アスナは必死にユウキを喜ばせようと他に行ってみたいところはないとないかと聞きます。ユウキがさらに行ってみたかったのはかつて住んでいた家。なにげない幸せがあった場所ですね。そしてもう戻れない場所。もうすぐ取り壊される家を見ながらのユウキの語りが自然で、聞いていて引き込まれます。
「この家に住んでた頃、ままはよくお祈りの後に、僕と姉ちゃんにこう言ってくれたんだ。神様は、私たちに耐えることの出来ない苦しみはおあたえにならないって。でも、僕は少しだけ不満だった。ほんとは聖書じゃなくて、ママ自身の言葉で話して欲しいって、ずっと思ってた。でもね、今この家をもう一度見て分かったんだ。言葉じゃない、ママは気持ちで包んでくれてたって。僕が最期までまっすぐに前を見て歩いていけるように。ずっと祈ってくれていた。ようやくそれが分かったよ」ユウキちゃんいいよね。この手のお話は下手すると、ただのあざといドラマになるから難しいと思うんだけどね。ましてヴァーチャルネトゲの物語にいきなりこんな重いテーマを組み込むというのは。でもユウキのセリフ回しが、アスナも感じたのであろう、淡々と語る中に芯の強さがにじみ出てくるような感じでよかったよ。お母さんに自分の想いを伝える事が出来ないと嘆くアスナに、自分が逃げていたのにアスナが一生懸命追いかけてくれたことを指摘し、お母さんとも同じようにぶつかっていく事を薦めるユウキ。ユウキってなんていい子なんだろう。「気持ちって、伝えようとすればちゃんと伝わるものだと思うよ」ユウキって強いね。あんな病気と闘っている子に軽々しく強いね、なんていうのも駄目な事なのかもしれませんが。
「一度だけでいい、私の世界を母さんに見て欲しいの」相変わらずアスナが別の学校の編入試験を受ける事を譲らないアスナママ(結城京子)に向き合おうとするアスナは・・・アミュスフィアをお母さんにかぶらせるという強硬手段だ!「いやよ、そんなもの。ちゃんと顔と顔を向かい合わせて出来ない話なんて聞く気はありません」ってVRゲーム機を使ったことがないであろうアスナママの気持ちも分からんでもない。でもユウキが言ったとおりに、自分が何を感じて何を考えているかを伝えるにはここじゃダメだということを真摯に訴えママ陥落。ちょっと無理があるような気もするが、ヴァーチャルワールドで得た想いというのは同じ空間を体感してもらわないと伝わらないのかもしれません。
「自分のために走り続けるのだけが人生じゃない。誰かの幸せを、自分の幸せだと思えるような、そういう生き方だってあるんだって。私、周りの人たちみんなを笑顔に出来るような、そんな生き方をしたい。疲れた人を、いつでも支えてあげられるような、そんな生き方をしてみたい。そのために、今は大好きなあの学校で、勉強やいろいろな事を頑張りたいの」アスナが母親に見せたのは、あの森の家から見える雪の積もった杉林の風景。母方の祖父母の家は宮城にあるのか。祖母の家から見た杉林と似ていたというわけですね。仕事や結城本家との関わりなどでほとんど実家に帰らない母に祖父が母の事を宝物だと言っていたことを伝え、母が疲れて立ち止まりたくなったときに帰ってくる場所があるんだといってあげるために家と山を守り続けているという祖父の言葉を伝えます。そして自分も同じように疲れた人を支えてあげられるような生き方をしたいと。カチグミなる為に邁進し続けていたアスナママは涙します。VRの世界では感情がダイレクトに反映される為、アスナママ、今まで心の奥に封じていた感情がアバターを通じて涙となって現れます。・・・ちょっとこれはアスナ、卑怯かな?でもアスナママも何らかの憑き物というかこだわりというかがとれたようです。アスナのやりたい事をするためになんで今の学校で頑張らなくちゃいけないかはよくわからなかったけどね。
「あなたは、誰かを一生支えていくだけの覚悟があるのね。でも、人を支えるには、まず自分が強くなければダメなのよ。大学にはきちんと行きなさい。その為にも、三学期と来年度はこれまで以上の成績をとることね」翌朝のアスナママはもう転校の話はしなくなりました。成績を上げていい大学にいくという条件付でアスナの気持ちを少しは尊重する事にしたようです。支えていくってキリトのことですよね。キリトとのお付き合いもオッケーって事?でもアスナママの言うとおり、誰かを支えていくにしたって支える力がなくちゃね。とくに経済力とか。その為にはいい学校に行く事や、安定した経済力のあるお婿さん取ったりする事も重要なわけで、決してアスナママが無茶苦茶酷い事を言っていたわけでもないと思います。おじいちゃんみたいに山もってたら別かも知れんが。アスナママも良くあの説得で折れたな、という気もしないでもありませんが、ユウキの言う「言葉」じゃなくて「気持ち」が伝わったという事なんでしょうね。照れくさかったのか「頑張るのね」といって部屋を出て行くアスナママがちょっぴり好きになりました。とりあえずアスナにとっては重要な事もクリアーできたみたいで、やっぱり最期はユウキとの別れが描かれるんでしょうね。ユウキみたいないい子はいつまでも元気でいて欲しいのだけれど。
EDテーマってユウキのテーマだったんですよね、気付くの遅すぎで自己嫌悪。「じっと見つめた君の瞳に、映った僕が生きたシルシ」なんて悲しすぎるよ。良く見たらEDのリアルアスナの肩の上にちゃんとカメラついてるし・・・ということはEDラストで涙をぬぐって顔を上げるアスナはユウキを見送ったあとなんだろうか・・・次回「マザーズ・ロザリオ」
« アニメ Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第10話「五人目の契約者」感想 | トップページ | アニメ ガンダム Gのレコンギスタ 第13話「月から来た者」感想 »
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 2015年夏アニメ プチ感想2 「がっこうぐらし!」その2(2015.08.08)
- 2015年夏アニメ プチ感想「がっこうぐらし!」(2015.07.30)
- 2015年春アニメ プチ感想(2015.07.20)
- アニメ ガンダム Gのレコンギスタ 第21話「海の重さ」感想(2015.02.23)
「ソードアート・オンラインII」カテゴリの記事
- アニメ ソードアート・オンラインII 第24話「マザーズ・ロザリオ」感想(2014.12.22)
- アニメ ソードアート・オンラインII 第23話「夢の始まり」感想(2014.12.15)
- アニメ ソードアート・オンラインII 第22話「旅路の果て」感想(2014.12.11)
- アニメ ソードアート・オンラインII 第21話「剣士の碑」感想(2014.12.01)
- アニメ ソードアート・オンラインII 第20話「スリーピング・ナイツ」感想(2014.11.24)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: アニメ ソードアート・オンラインII 第23話「夢の始まり」感想:
» ソードアート・オンラインII 第23話『夢の始まり』 キャプ付感想 [空 と 夏 の 間 ...]
ソードアート・オンラインII 第23話『夢の始まり』 感想(画像付)
疲れて立ち止まった時に振り返りたい場所がある…
アスナにとってSAOの山小屋にはそんな意味もあったのですね。
キリトとのイチャイチャの場所だけじゃなかったんだ(笑)
感情を隠せないバーチャルだから涙を流せたアスナの母も印象的でした。
大人って泣けないですからね。
世界初の医療用フルダイブ...... [続きを読む]
» 【アニメ】ソードアート・オンラインⅡ感想 #23「夢の始まり」 [今日から明日へ(仮)]
ユウキちゃんたちの事情が明らかになりましたが、予想以上に重い話でした(´・ω・`)
今回はユウキちゃんの願いと、アスナちゃんの夢が描かれます。
ということで、第23話の感想になります!
(注意事項)
・基本、嫁にハアハアする感想になります。
・原作、前情報、ほとんど分かりません。さらに、公式サイトもほとんどチェックしないと...... [続きを読む]
» ソードアート・オンラインⅡ第23話感想 [サイネリア~わたしのひとりごと~]
タイトル「夢の始まり」 [続きを読む]
» ソードアート・オンラインⅡ 第23話 「夢の始まり」 [つれづれ]
トロッコとか、懐かしい。
[続きを読む]
« アニメ Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第10話「五人目の契約者」感想 | トップページ | アニメ ガンダム Gのレコンギスタ 第13話「月から来た者」感想 »
アスナ母、実はこれ以前にも一度だけアミュスフィアを使ってます。
アスナが文章入力専用アプリを試させたのですが、数分で目眩を訴えてそれっきりだったとのこと。
ちなみに、今回の母が使っていたアミュスフィアはアスナ兄の私物です。
投稿: | 2014年12月16日 (火) 07時21分
↑コメントありがとうございます。
たぶん文書入力で思い通りに動かせなかったんでしょうね。道具っていうのは使い慣れるまでの壁を越えるまでは拒絶反応でますよね。特に最近のゲーム機とかは・・・(私だけ?)
投稿: くまっこ | 2014年12月18日 (木) 23時30分