アニメ ソードアート・オンラインII 第22話「旅路の果て」感想
ユウキたちがアスナを避けていた理由、スリーピングナイツを解散する理由、ユウキがアスナの事をねえちゃんと呼んでいた理由、それはあまりにも悲しすぎる現実があったからだというのが明らかになりました。大切な人が余命いくばくもない、というストーリーは安易に泣けるお話を作れるのであまり好きではありませんが、アインクラッドやアルムヘイムの素敵なVRMMOの冒険世界や、梶浦さんの叙情あふれる冒険世界のBGMに後押しされて、ユウキたちがいずれこの世界を去らないといけないと思うと結局泣けてきたりしました。
「迷惑なんて・・・私たちは、あなたと出会えた事を、本当に嬉しく思っています。この世界で最期に、とても素敵な思い出がつくれたのは、アスナさんのおかげです。ユウキもきっとそう思っています。でも、どうかお願いですから、これで私たちの事は忘れて欲しいのです。」
「本当にこれでお別れなの、ギルドが解散してもずっと仲良くしていけると思ってた、でも。そう思っていたのは私だけなの?」
ユウキが戦士の碑でログアウトしてから3日、まったくログインしてこないユウキに焦燥を覚えるアスナ。そんなアスナを見かねたのかシウネーがアスナのもとを訪れますが、シウネーもこれ以上自分達のことを忘れて欲しいと言い残してログアウト。ヴァーチャルとはいえ、せっかく仲良くなった人たちから急に疎外されて、去られていくと悲しいですよね。特にアスナの場合は現実世界では親には自分のしていることを理解してもらえず、自分の居場所がないという喪失感にさいなまれているわけですから。
「どうしても、絶剣に会いたいか?もう会わないほうがいいといわれたんだろ、それでも?・・・そうか。ここにいけば会えるかもしれない。あくまで可能性だけど。・・・そこが日本で唯一、メデュキボイドの臨床試験をしている場所なんだ」
落ち込むアスナにタイミングよくキリトからのメールが。そしてアスナがユウキの事で悩んでいる事を知って、とある場所の電話番号の書かれたメモを渡す。キリトさまは何故知っている?現実世界でもチート化を始めた主人公様。剣を交えただけでSAOに閉じ込められた自分達よりもずっとダイブし続けていることを察知し、そんな事ができるのはこの病院しかないと推理したのでしょうが・・・
もちろんアスナはユウキのリアルでの名前など知らず、受付での面会を申し込もうとします。手がかりはユウキの推定年齢、性別(ネカマという可能性もあったとは思うが)、メデュキボイドを使用している患者だという事。でもユウキも本当はアスナと会いたかったんですね。もしも自分のことを探して面会に来る人がいたら通して欲しいといったことは受付に伝わっていたようです。ユウキだって自分の真実を知られたときにアスナが自分から去っていくかもしれないと不安だったんでしょうね。
「それはもう、アスナさんの話ばかりですよ。ただね、ユウキくんは、あなたの話をした後は決まって泣いてしまって・・・自分の事では決して弱音を吐かない子なんですが、あなたに会いたい、けど、もう会えない、と」
紺野木綿季(ゆうき)の主治医という倉橋という医者がやってきて談話室でユウキのことを語ります。何故ユウキがもう会えないといっているのか、医師である倉橋は、まずユウキが受けている治療に使われているメデュキボイドの説明から始める。それは医療用のフルダイブ機で期待される分野はターミナルケア、終末期医療での使用との事。
「いえ、続けてください。お願いします。私はそのためにここに来たんですから」
医師からはここで話をやめておけばよかったと思うかもしれない、といわれるも、アスナは話を聞き、ユウキに会う決心をする。アスナが見たのは、ガラス越しの無菌室でメデュキボイドと一体型になったベットに横たわる病人の姿。ユウキが生まれる時難産で緊急輸血をされたその血液がウイルス感染しており、エイズを発症していて病気と闘い続けないといけないという過酷な現実。もう3年も24時間メデュキボイドでフルダイブし続けていると状態でした。そしてアスナの前から姿を消そうとした理由・・・ユウキの症状はもう末期だったんですね。・・・アスナを悲しませたくない。ユウキの辛い気持ちが悲しいです。さらにユウキには既に同じ病気で死去している双子の姉がいたとの事。ボス攻略の時に「ねえちゃん」と思わず言ってたのはユウキはかつての姉の姿をアスナに重ね合わせていたからだったんですね。
「もう一度、もう一度だけあなたに会いたい。あなたと会って、今度こそ本当の話をしたい」
涙するアスナをダイブ環境下からカメラを通してみていたユウキからスピーカー越しに声がかかる。ALO世界で始めてあった場所に来るように言われ、医師の面談用のアミュスフィアでログインして向かうアスナ。ここのシーンは秀逸です。ゲートから薄暮の中初めてユウキにあった小島まで飛翔するアスナ。このシーンでこのBGMは最高にマッチしていて泣けてきました。陽が昇り始め薄らか明るくなる霧の向こうにやっと見つけたユウキの姿が。感動的な再開シーンに仕上がっていたと思います。
「なんでかな。アスナが、現実世界の僕を見つけてくれるような予感がしたんだよ。何にも教えてなかったんだから、そんなわけないのにね。でも、アスナは来てくれた」
ユウキを抱きしめるアスナ。ユウキは自分の姉、藍子のことやスリーピングナイツから姉を含めて三人もすでにいなくなっていることを話します。そしてスリーピングナイツを解散しようと決めた理由も。長くてもあと3ヶ月と告知されているメンバーが二人いるとの事でした。アスナから距離をとってきた理由、それは次に誰かがスリーピングナイツを去るときにはギルドを解散しようと決めていた為でした。おそらくそれはユウキかも知れない。
「だから、僕たちはどうしても、この素敵な世界で最期の思い出を作りたかった。あの大きなモニュメントに、僕たちがここにいたよ、っていう証を残したかった。姉ちゃん達に胸を張ってお土産に出来るようなすごい冒険をしたかった。でもなかなかうまくいかなくて。一人だけ手伝ってくれる人をさがそうって相談したんだ。でも、迷惑かけちゃったし。嫌な思いをさせちゃったよね。ごめんね、ごめんねアスナ。今からでも、僕たちの事は忘れて」
「できないよ。あたし、ユウキたちと出会えて、ユウキたちの手伝いが出来て、すごく嬉しいよ。今でもまだスリーピングナイツに入れて欲しいって、そう思ってる」
「ああ、僕、この世界に来られて、アスナと出会えて、ホントに嬉しい。今の言葉だけで十分。十分だよ。これでもう、何もかも満足だよ」
ヴァーチャルワールドでの3年間、色々な冒険をして、その思い出の最期の一ページをアスナと一緒につくった思い出にしたいと悲しい事を言うユウキ。そんなユウキにアスナはまだしたい事あるでしょ、行きたい場所あるでしょ、と懸命に問いかけます。ヴァーチャルの世界では遣り残した事はないと言わんばかりのユウキは「そうだね、僕ね、学校にいってみたいな」と言います。だんだん空が明るくなってきて、霧が静かに晴れていき朝日に照らされた情景のなかでのユウキの心情が語られるシーンがまた素敵な出来栄えで、第1期のSAOがクリアされてアインクラッドが崩落していくシーンやALOでキリトとリーファーが空の上でダンスするシーンに並ぶ感動的なシーンでした。ユウキは学校に行く頃には既に無菌室から出られなくなっていたのか。そんなユウキにアスナは「いけるかもしれないよ、学校」と声をかけるアスナ。やっとここでキリトさまがユイちゃんの為に勉強していたメカトロニクスが活きてくるわけですね。まだしばらく話は続きそうですが、このペースだとユウキとの真の別れまで描かれそうでもの悲しさが残ります・・・
次回「夢の始まり」
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