アニメ 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第9話 「決死の脱出行」
「メンタルモデルでも分かり合えるものとそうでないものがいると思う。人間と同じ。でも、もっと話し合えれば、もしかしたら・・・」コンゴウとの敵対が確定的になり共に歩む世界の可能性はないのかと悩む千早群像にイオナはもっと話し合えれば分かり合えるという希望を仄めかします。今回は霧を去ったメンタルモデルとコンゴウが概念伝達空間でお互いの意見をぶつけ合うのが面白かった。コンゴウを含めたメンタルモデルにそれぞれの想い、個性が存在し、特に霧の兵器であろうとするコンゴウが一番人間っぽい感情と態度を見せてるのが興味深かったです。
「コンゴウ、貴方も私を今の外見だけで判断しているんじゃないでしょうね?大戦艦級の演算能力、味わってみるといいわ」コンゴウやマヤからの飽和攻撃!?大砲やVLSから発射される大量の砲弾やミサイルからの防御を一気に引き受けたのがヒュウガ。群像たちに脱出を促し、イオナにお礼をいわせると身悶えして喜ぶのは相変わらずですが・・・島全体にバリアーを張るその能力、それだけのスペックがありながらどうしてイオナに負けたんですか姉さん。とにかく前半は彼女の大活躍でした。
「そうね、あんたたちには一宿一飯の恩ってのもあるし、仕方ないわね。協力してあげるわ。ただしいつ抜けるかは私が決めさせてもらう」あいかわらず群像にデレまくりのくせにいざ群像と面を合わせると素直になれないタカオさんがかわいいです。ちなみに、メンタルモデルたちの視聴者サービスシーンを忘れない本作品ですが、今回も水着姿だったタカオとイオナが普段着に変身するシーンで見せてくれます。お尻のアップがとても素敵でした。「結構だ、ようこそ蒼き鋼へ」と握手を群像に求められタカオ、凛々しく握手に応じますがそのあと後ろ向いて顔を赤らめたり、群像にお願いがあるといわれ、「お願い?命令じゃないの?」と物欲しそうな表情をしたり、と群像の為ならどこまでも身を堕としそうな彼女の今後がちょっと心配です・・・ちょっと期待してるけど。
「イオナ姉さまが好きだから。そのロジックはいかなる行動基準においても優先される」例によって戦闘中にいきなり瀟洒なテラスにお茶がセッティングされたテーブルが置かれた概念ルームに切り替わってメンタルモデル達が会話を始める概念伝達空間が面白い。激しい戦闘の最中にこういうシーンが挿入されるとテンポが悪くなる懸念があるけど、時間や空間の概念のなさそうなイメージシーンというのが分かりますし、この作品ではメンタルモデルの動向がどうやらテーマらしいので概念伝達空間のシーンはメンタルモデル同士の考え方などが分かって良いと思います。コンゴウはヒュウガにイ401から手を退くように依頼しますがイオナ姉さんへの愛というコンゴウにとっては我慢ならない概念を語られ物別れに。この時何故かコンゴウがテーブルで下で足を組みかえるシーンが入ります。妙に艶かしい。他のメンタルモデルに比べて露出が少ないコンゴウ様のサービスショットですが、もしかしたら今回徐々に感情をあらわにしていくコンゴウの人間的なところを肉体的な部分からも表現しているのかも知れません。
「まだまだぁ、大戦艦級を、イオナ姉さまへの愛をなめんなぁー」初っ端から全開のコンゴウ、超重力砲を使ってきます。ハルナやキリシマと同じく艦首が上下に割れて出てくるタイプです。同型艦だからね。その強大な破壊力を防ぐ為にヒュウガがフィールドの内側にさらにフィールドを張って防ごうとして、フィールドの破砕したところから超重力砲の黒い光線が次々と差し込んでくる描写が見応えあります。
「今の私はあの人の船、蒼き鋼。同型艦には負けられないのよ」コンゴウの超重力砲を防いだヒュウガ。しかし島を覆っていたバリアーも消失。しかし超重力砲をもったもう一隻の船、重巡マヤがいます(軽巡は超重力砲もってなさそう)。しかし今の群像の元にはマヤと同型のタカオがいます。超重力砲を超重力砲で相殺する!ぶつかり合ったエネルギーは雲海を吹き飛ばし上空に弾けとぶ!「タカオのバカー!沈んじゃエー」と悔しがるマヤちゃんに「愛は沈まない!」って・・・群像の前ではいえないセリフですね・・・
「私の事は私が一番わかってる。私は愛を知って目覚めたの。人も私もそうやって進化していくの」本日2回目の概念伝達空間。コンゴウはタカオにも霧本来の姿に変えるようにアクセスしてきますが、愛について語るタカオ、感情という不確定要素は不要というコンゴウで物別れに。「好きな人の為に好きに生きる。こんな簡単なことが何でわかんないかなぁ」「我々は人ではない。自らは引き金を持たぬ兵器であるべきだ」と。ヒュウガに引き続きタカオにもそっぽを向かれコンゴウの孤立感が更に浮き彫りになってきて・・・ちょっとかわいそうな気がしてきました。
「兵は神速を尊ぶ。人類の書にある言葉だったか。そう、我々は霧は兵器である。それ以上でもそれ以下でもないのだ」ヒュウガとタカオがコンゴウ、マヤの攻撃をしのいでいる間にイ401は海底のハッチから島を脱出。次々と同胞が自分の下から去っていくコンゴウは、そのすべての元凶たるイ401と千早群像の消滅を優先させるべく、ヒュウガやタカオとの戦闘を中断させ全艦艇をイ401の索敵に向かわせます。イ401はヒュウガが設置してくれた侵食魚雷をベースにしたステルス機雷原を針を縫うような舵取りで抜けることで脱出用の必殺技、フルバーストモード起動(410秒)までの時間稼ぎ。もてる魚雷を撒き散らし、戦艦なのに海中にまで潜り、そして自らの船体が傷つこうとも最短距離で401に追いつこうと機雷原を突っ切ってくるコンゴウ。
「意味はある。一人はきっと、とても弱いから。・・・私も一人きりの時はこの世界でどうしたらいいのか分からなかった。きっと今のあなたは。・・・でも、今のあなたは一人ぼっち。昔の私と同じに見える」本日3回目の概念伝達空間はイオナの方からコンゴウに。「コンゴウ、そんな無茶して痛くないの?」コンゴウの機雷原を突っ切る突進を心配するイオナ。人にも私たちにもぞれぞれの可能性があると訴えるイオナにあくまでもアドミラリティーコードに従う兵器であるべきと突っぱねるコンゴウ。ヒュウガ、タカオのときと同じ構図です。「やめて、私には群像との時が必要なの。私たちの存在が何なのか、その答えを見つけるためにも。コンゴウ、あなただって」「レーゾンデートル(raison d'être)の模索など下らぬ行為だ。無価値で無意味な問いかけだ」心が不純な私には相変わらずイオナのセリフはエロく聞こえてしまいますが、ここまでアドミラリティーコードと兵器であるべきという考え方に固執するコンゴウの姿は他のメンタルモデルに負けないぐらい人間的に見えます(そういう風に描いているのでしょうが)。孤立感が高まってきて可哀想にさえ思えます。
「確かに今の私はアドミラリティーコードとは関係がない感情というものを抱いているのかもしれない。だが、これだけは憶えておけ。・・・私はお前が嫌いだ」身を乗り出してイオナの耳元に顔をちかづけて話すコンゴウ。身を乗り出すときにコンゴウの胸元がクローズアップされて、揺れる胸が素敵ですコンゴウ様。感情などという不確定要素は不要だといっていたコンゴウが感情というものを抱いてしまっていることを認めてしまい、最も人間らしい感情の一つ、「嫌い」という言葉を口にするシーン。今回はここが一番よかったなぁ。他のメンタルモデルはみんな好き好き系のプラスの感情ばかりでしたから余計にコンゴウさんの今回のセリフが気を引くなぁ。しかもこの嫌いって言葉、人一倍イオナを意識してますよ、といわんばかりの言葉ですし。
と、結局感情的になってイ401と千早群像に気を取られすぎ、2発目の超重力砲を撃つ時にヒュウガにハッキングされ片側のエンジンを止められ超重力砲の軸線がずれてイ401を逃してしまうし、ほったらかしにしたタカオのほうに実は振動弾頭(と刑部蒔絵、ハルハルとヨタロウ、さらに群像をのぞく401クルーたち)を積んでいた、という裏をかかれる結果となってしまいました。「お前たちは間違っている・・・間違っているのだ」海上に浮上する艦橋の上で立ち尽くしながらつぶやくコンゴウの姿になんか愛おしさを憶えてしまいました。コンゴウもメンタルモデルを持ったが為に、何かが変わり始めているのでしょうね。久しぶり戦闘シーンが多かったのも良かったですが、コンゴウの感情的な部分が見れたのが面白かったです。
で、ED後、フルバーストの負荷で疲れて倒れるイオナ、心配する群像。「私は群像の船だから」とまたしてもエロく聞こえてしまうイオナのセリフに手を差し伸べる群像。激しかった戦闘の後の息をつくひと時のおとづれと思っていたら、まだ攻撃が残っていた?侵食魚雷を喰らってクラインフィールドを失うイ401、更にクラインフィールドを喰らい沈降していくイ401。「401の撃沈を確認。任務完了」「アドミラリティーコードに従うのが私たち霧の艦隊」わ、忘れていましたあなた達の存在を!イオナの姉妹艦たち、イ400とイ402です。まさか、あなたたちがラスボスだったなんてぇ!!!しかも絶妙のヒキで終わらせやがってー!来週が待ちきれないじゃないかー。
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第9話「決死の脱出行」
群像とコンゴウは分かり合えなかった・・・
というよりコンゴウは自分たち霧が兵器である事、アドミラリティコードに従う事に頑なですね。
ヒュウガがコンゴウの足止め役。その隙に脱出を図る群像。 タカオはどうする?
手伝ってあげてもいいわよってw
本当はすっごくすっごく群像の船になりたいのにツンデレだなぁ~w
クールな顔で群像と握手したした後の...... [続きを読む]
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何とか脱出に成功しホッとしたのもつかの間,待ち伏せを食らい沈んでゆくイ401…
前回といい今回といい,ほんといい所でヒキを作って終わりやがります。
続きがとっても気になるじゃないですか(笑)
蒼き鋼のアルペジオは毎回面白いですね。画面にかぶりついて見てしまいます。
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ひさびさの戦闘回です!
ヒュウガさんも大活躍。
群像の奇策とコンゴウの知略、どちらが勝つのか?
硫黄島に降り注ぐ、ミサイルの雨。
コンゴウ率いる霧の東洋方面艦隊による猛攻を、メンタルモデルたちが力を合わせて凌ぐ。
ヒュウガはイオナへの愛のため。
ハルナ、キリシマは蒔絵を守るため。
そしてタカオもまた、群像への愛を覚え、イ401を逃がすため、闘いに参じる。
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群像と会ったコンゴウ。
しかし、互いに理解することは出来ませんでした。
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今回も長文になってしまい、申し訳ありません
原作では蒼き鋼に協力的だった400と402がまさかの敵対
衝撃的な終わり方でした
まあ、原作でも本人たちの意思ではなく総旗艦の命令に従っているだけですし、アニメではそれがアドミラリティコードに代わっただけなのかもしれませんね
原作におけるアドミラリティコードの方向性と比較すると、本当にアドミラリティコードの命令なのかはちょっと疑問ですけれど……
原作で明らかになっていない謎はアニメでも明らかにしない、と監督が言っていたのでアドミラリティコードの本体は出てこないでしょうし…………
投稿: 原作派 | 2013年12月 9日 (月) 20時57分
原作派様、更新のかなり遅れた今回もコメントありがとうございます。
まさかのイ400と402の参戦に意表を突かれました。というか彼女たちの存在をすっかり忘れていた…
まぁアドミラリティーコードについてはアニメででは描かれないでしょうね。ただアニメ的にはイ400と402がどれだけ優れた船かは分かりませんが、ラスボスというには絵的に今ひとつ盛り上がらないんですよね。
と、いうわけで、未出のメンタルモデルがラストに向けて用意されているのではないかと予想しています。原作派様がおっしゃる総旗艦がラストで出てくるのではないかと思っているのですが…
アニメではどういうオチをつけるのか、楽しみです。
投稿: くまっこ | 2013年12月 9日 (月) 23時13分
確かにアニメだと400、402の性能は触れられていないですよね……
一応、原作では初登場シーンにて初期状態のタカオになら十分勝てる、といった旨の発言が有りましたが……
(401に敗れて経験値獲得後のタカオ相手では「勝てるかどうか」らしいです)
原作でも総旗艦直属として「本当に401と同型艦?」という性能を見せるシーンがありましたし、複数の同型艦を相手取るのは不利でしょうけど……
やっぱりラスボスっぽさは無いですよね~……
OPやEDには出てこないものの、私も総旗艦がひょっこり出てくる気がしてきています(笑)
投稿: 原作派 | 2013年12月10日 (火) 11時14分