アニメ 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第10話 「この身を捧ぐ」
今回はイ401の撃沈から、群像の救出まで、メンタルモデルたちの想いなども1話を使ってじっくり描かれていて面白かったです。ラストにむけてこういうエピソードが挟まれるってのはいいですね。他のメンタルモデルに比べて感情表現の少なかったイオナが瀕死の群像を前にして、人間らしい感情の揺らぎを見せてくれました。
思わぬ伏兵、イ400とイ402の攻撃をうけたイ401。イオナは自己修復プログラムでナノマテリアルによる欠損箇所の修復を試みますが一部ナノマテリアルがイオナのコマンドを受け付けず、修復が儘ならないまま沈降を続ける401。姉妹艦である400と402は同一フォーマットのイオナのナノマテリアルに干渉出来るそうです。ある意味最悪の相性、自分自身とは戦いにくいというところでしょうか。
洋上では合流ポイントにイ401が現れないことに焦燥感を募らせる仲間たち。前回のマヤの超重力砲をタカオの超重力砲で相殺したことによる干渉で空間位相に乱れがでて概念伝達も使えなく状態。とりあえず401の消えた海域に向かうこと。嵐の中のタカオの艦影と艦首を回頭するシーンや、波の円弧を描きなら向きを変えるところから上空から描かれているシーンが、戦艦らしくて(今までが戦艦らしくない超兵器ぶりでしたから)結構お気に入り。
「勝手にとは理解不能だ。401の撃沈は霧の総意なのだから」こちらは概念伝達は可能なんですね?なぜ勝手に401を沈めたのか、とコンゴウ様はご立腹。それに対して淡々と答える400たち。400と402を前にしたら、コンゴウがいかに人間的になったかが一目瞭然です。逆にコンゴウが401に執着している、と指摘されちゃいます。彼女たちの方がよりアドミラリティーコードに近い存在なのでしょうか・・・哨戒活動に戻るように言われちゃうコンゴウ。コンゴウ様がこのままで終わらないことを願ってますよ。
「それでも、探すしかないじゃない!決まってるでしょ。潜って直接探すのよ!」洋上艦なのに潜航できるという霧の艦の能力にももう慣れてきましたが、一応洋上艦タイプが潜っても潜水艦タイプの能力には及ばないという縛りはあるようで、まだ敵がいるかも、しかも潜水艦タイプかも、という状態での潜航は危険だと止めるヒュウガ「平気なわけないでしょ。でも私はイオナ姉さまにあとを託された。もしもの時はイオナ姉さまの意志を継がなきゃいけないのよ!」いざという時は理性的の判断の出来る方でした。精神年齢的にも高そうな(そもそもメンタルモデルに歳という概念はあるのか)ヒュウガと直情的なタカオとの違いが見れましたが、どちらもイオナや群像を想っての言動ですからね。ヒュウガの想いを知って、それでも救助に行きたいタカオはヒュウガの初登場の時にかぶっていたタマゴ型のカプセルを借り受けます・・・それ、深海でも大丈夫なんだ?
浸水区画をパージし、艦の機能維持のみ機能を集中するように命令する千早群像。そのため艦内の気温もどんどん下がり、負傷している群像がちょっとやばそう。こういう時にでるのが昔の思い出話なんですよね。始めてイオナが群像がかよう学校に現れた時のことを話す群像。主人公出なければ死亡フラグっぽいんですけどね。そして今のイオナと始めてあったときのイオナを比べたのでしょうか、「イオナはずいぶん変わったな」とつぶやきます。
「群像・・・理解した。あなたが私が変わったといった事の意味」イ401の艦体を維持する方策は群像を切り捨てること・・・シミュレーションの結果に群像も「だろうな」と声を洩らす。メンタルモデルだったら生命維持の区画そのものがいらないでしょうからね。自分のことよりも振動弾頭をアメリカに届けてくれと頼む群像ですが「以前の私なら、ためらわずにそうしていた。そうしない理由は、何もないはずだった。なのに私は、あなたを見捨てることが出来ない」と自分が群像を失いたくないという気持ちをいつしか抱いていたことに、それも群像が瀕死の状態なのを前にして、あらためて気付くイオナちゃんが切ないです。
「いや、私は、私は一人になりたくない、群像!」これ以上の救難は待てないと判断した群像は、虫の息で、艦の中枢機能の保護のために生命維持に必要な機能をすべてカットするように命じます。「それは艦長命令?」と聞き返すイオナ。「生きろ、イオナ」といったきり動かなくなる群像、群像の手を取るイオナですが、その手を落としてしまうシーンで、本当に死んだかと思ってしまった。最終回直前で主人公が死んでしまうって展開だったらすごいですけどね。
「分かてるわよ、それでも、僅かでも可能性があるなら私は行く。群像、私の艦長」タカオさんいいですねぇ、私の艦長ですか。微弱な救難信号の消失点を頼りに海底を探索するタカオさん。しかしタカオが見つけたものは・・・イ401の残骸・・・その残骸の中ほどにカプセル状の物体があり、その窓から中に群像が眠っているのを発見。その横には・・・イオナのコアが。イオナは自身の機能維持よりも群像の命を救うことを選んだんですね。これにはタカオの艦長愛もかなわない?「まったく、ほんとうにあんたってば。これじゃあ・・・私の入り込む隙間なんてどこにもないじゃない」こんなの見せ付けられたらタカオさん、複雑な気持ちですよね。切なすぎる。タマゴ型カプセルを脱ぎ捨て、海底のカプセルに抱きつくタカオ。「それが艦長の・・・千早群像の望みなら・・・」タカオの艦体が輝きだし、光の粒子につつまれ、その光が海中に束になって降り注ぎます。ここでは挿入歌「Silver Sky」が流れ、消えていくタカオの艦体、そして新しく再生したイ401の浮上が描かれます。イオナが、タカオが、群像の為に自身を捧げる・・・再生したイ401がまだ朝の仄暗い空の下、波を割って浮上するシーンは結構感動的でした。タカオのナノマテリアルで再生したせいか、艦の形がちょっと変わっている?まぁラスト目前にしてパワーアップされるのも主役メカの特権。メンタルモデルも復活したイオナは、再生された艦内で群像の胸に手を当てて生きていることを確認。めでたしめでたしです。タカオさん、イオナに負けずにこれからも艦長愛にひた走ってください。
「そうか401が・・・は、そうか、そうでなくてはな!いくぞマヤ。今度こそこの私の手で401を撃つ」コンゴウ、マヤの周りに浮上するイ400とイ402彼女からイ401再生の報告を受けたコンゴウの嬉しそうなこと。なんか最近コンゴウ様が好きだなぁ。しかしそんな嬉しそうなコンゴウに「それは出来ません。アドミラリティーコードに基づき、コンゴウ、あなたを東洋方面第1巡航艦体旗艦から解任します」とイ400から電撃的な解任が告げられます。しかもコンゴウですらイ400達の監視対象だったことが告げられます。「あなたの思考アルゴリズムには深刻な障害が発生している。現状では艦隊旗艦としての正常な判断は出来ない」と断定されます。イ400の「やはりあなたもそうなりましたか」というセリフが恐い。アドミラリティーコードはこうなることが分かっていて感情をメンタルモデルに持たせたの?
「うん、大丈夫だよ、コンゴウ、コンゴウは何も心配せずにアドミラリティーコードにしたがっていればいいんだよ」実は今回一番衝撃的だったのがマヤちゃんが感情プログラムが実装されていない、ただの監視ユニットだったこと。マヤ、お前なら分かってくれるだろう、と同意を求めるコンゴウに、同じセリフを繰り返すマヤちゃん・・・もうこれ以上コンゴウを監視する必要がないと機能停止させられたマヤちゃんは壊れたおもちゃのようにコンゴウの周りを「カーニバルだよ」と繰り返しながら飛び跳ねるという・・・唯一の理解者だと思われたマヤちゃんがただの監視ユニットだったことで、コンゴウが既に一人ぼっちになってしまっていた事が明白に成りコンゴウが可哀想になってきました。コンゴウ様、このままでいいのか?きっとラストバトルにはあなたが参戦してくることを期待しています。自分も、タカオたちと同じように見られていた知って愕然とするコンゴウ様をみてまた一つコンゴウ様が好きになりました。
今回は群像とイオナの救出、群像の瀕死状態を目の当たりにしてのイオナの想いなどがじっくり描かれていて良かったです。後はラストに向かって突っ走るだけですね。最期にどういった戦いが待っているのか、期待が膨らみます。
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コメント
水上艦の潜水機能>
原作だと総旗艦(水上艦)が潜水した状態でコンゴウの目の前に来た際に
コンゴウ「火器の使用が制限される潜水は好かない」
総旗艦「海の中は静かで素敵よ」
といった会話がありましたので、やはりアニメでも潜水中は一部火器が使用出来ないのだと思います
今回のヒュウガさんは原作に近い感じでした
アニメだと
イオナへの愛>>>>>>>大義>その他
といった感じ(笑)ですが
原作だと
イオナへの愛≧大義>>知的好奇心
といった感じです
タカオは……愛が強すぎて哀しいです
今回の言動や行為が前回の言動や行為と対になっているような感じで、更に哀しく……
マヤは、正直ショックでした
そこまで好きなキャラじゃないと思っていたのですが、それでもショックでした……
400と402も衝撃的でした
特に402は原作でのズイカクやタカオとの漫才のイメージが強かったので……
「おはようお姫様、王子からの目覚めのキスは無いよ」
「総旗艦からの伝令でござる」
等のセリフは最初から期待していなかったものの、もう少しソフトな娘になるのかと……
今回も長文、失礼しました
投稿: 原作派 | 2013年12月12日 (木) 14時43分
原作派様コメントありがとうございます♪
>マヤは、正直ショックでした
原作派様でもショックでしたか。何だろ、自分の親しい友人が実は友達がいないあなたのために作られたロボットでした、と告げられたようなw。まだ自分にはマヤがいる、と思っていたコンゴウ様が可哀想で…マヤちゃんはどういった個性を見せてくれるのか楽しみにしていただけに…衝撃的でした。物語的には面白い展開だとは思いますが。
可哀想といえばタカオさん、確かに今回のタカオさんは哀しいですよね。それでも艦長に自らのナノマテリアルを捧げる報われぬ愛にエールを送りましょう。
いよいよ残り僅かですね。イ400、402姉妹がラスボスで終りなんでしょうか…期待が膨らみますね。
投稿: くまっこ | 2013年12月13日 (金) 00時16分