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アニメ 宇宙戦艦ヤマト2199 第9話 「時計仕掛けの虜囚」 感想

「友達か、いい答えだ」艦内を彷徨うガミロイド。自分と同じ存在だと気にかけるアナライザー。自分は何者かを問い続けるロボットたち。挙句の果てに人間に心があるのかさえ判らない、とのたまう真田さん、とP.K.ディック風のSFテイストのアナライザー回でした。

「観測員9号の心」ヤマトラジオ文学館では21世紀末の名作(?)がシロシンタさんのリクエストで流れます。

機械仕掛けの寓話
まだ火星に街がなかった頃、シレーヌス海の畔に建つ光点(公転?交点?)観測所に燈台守のように一人暮らす観測員のお話が語られます。

観測員9号ってよく考えたらAU09アナライザーのことか?エンケラドゥスで捕獲したガミラスの戦闘用アンドロイド(ガミロイド兵)との心を通わせる、というかそもそもロボットが心を持つか、といったSFで古くから描かれているテーマへのオマージュ的なお話でまさにアナライザー回。残念ながら激しい戦闘シーンやヤマトの前に立ちふさがる新たなガミラス軍人とかは出てきませんでした。今回も結構伏線的なネタを散りばめていたんでしょうか?

ガミロイドの人工知能の分析からガミラスが地球人と同じ数学を持ち同じ物理学を理解するということがわかったと真田副長と新見女史から語られます。「宇宙で異文明と遭遇したとき、このことは重要な意味を持つ・・・特に、戦争になった時にはな」真田副長の言葉に戸惑う古代沖田艦長が「同じルールの将棋がさせる、ということだ」と分かりやすく解説。つまり銀河系規模で離れた異星人と地球人が普通に戦術戦略の駆け引きしててもなんらおかしくないよということが言いたかったんですね。

捕獲したガミロイドからガミラスのメインフレームを通さないと取り出せない敵のデーターを引き出すために真田副長は直接「喋らせる」事を考え、アナライザーに地球語の教育をさせるのですが、ガミロイドにオルタと名前をつけたり、オルタの分析に戻る時に真田副長にそうしてくれ、といわれたとき「はーい」と声のトーンが上がったりと・・・可愛すぎるぜ(いや、あまり可愛くないんですけど)。「コレハナンダ・・・チガウチガウ、コレハイヌナノダ。イヌハ哺乳類ダ。哺乳類ハ動物ダ。デハコレハ・・・ウーン、コレハ猫ナノダ・・・」と悩むアナライザーも可愛く見えないこともない。何でロボット同士が言葉を教えあってるネン!という突っ込みにも大丈夫なように、新見女史が「言葉をねぇ、OSが連携できたんだから自助データ(?)をそのままインポートしちゃいなさいよ」とアナライザーをからかういながらもデータのインポートもできることを説明してくれます。セキュリティー上よろしくないんで「艦内ネットワークにつなげるわけにはいかないわよね」という、あえて会話で言葉を覚えさせようとしている説明もしてくれます。その新見女史は自室に戻りパソコンみながら「やっぱり調査が不十分だわ。これじゃ、移住可能かどうかわからない」とまだイズモ計画を表面下で模索している模様。この伏線はいつ回収されるんだろうか。

オートマタは電気羊の夢を見るか
ウーダンという機械技師がイブという少女を観測員9号のところに連れてきた、と物語はつづられます。

やっぱりオルタは危険なガミラスのアンドロイド?勝手に動いて手の平からワイヤーを射出してヤマトの艦内ネットワークに接続しちゃいました。そしてネットワークにつながったオルタが見たものはやっぱり女神?電脳世界っぽい空間でオルタが見たものは光り輝く女性の姿?「昨日・・・女神ニ会イマシタ」と将棋をさしながらアナライザーにうちあけるオルタ。その「女神」にお前は誰だ、と問われた、名前を聞いて言うのではないと言われた、とアナライザーに話し「アナタハ答エラレマスカ、オ前ハ何者カ」とアナライザーに訊ねます。人工知能を持ったロボットがまず考えるのが自分の存在。アナライザーもさすがにこの問いには答えられません。

篠原山本が哨戒任務に出ていたのですがその飛行機がヤマトに着艦しようとする時にひと悶着起こります。着艦用のクレーンが誤作動?篠原の手動操縦で何とか大惨事に繋がる事故を開始しますが…真田副長はアナライザーが回線を通じてオルタと会話していたのが原因であると追求し、「オルタとの会話が予想外の負荷を与えているのかもしれん。ミスが続くようならばお前を初期化しなければならない」という厳しいお言葉。「ソレハ…」と一旦は慄きながらも「適切ナ判断ダトオモワレマス」と肯定するアナライザー。もし仮にアナライザーに自意識が存在したとして、初期化されるということに対してどういう風に感じるのでしょう…とりあえずオルタとの分析作業を中断させ様子を見るという処置にでる真田副長。ロボットにとって初期化される、ということは、もちろ自意識があったとしてですが、死ぬのと同じ恐ろしいことなのでは。

われはロボット
老人がイブを船に戻してしまうと、観測員は無償に彼女に会いたくなる、生まれて始めて寂しいという感情を知る、そして彼女に会おうと決心する…と物語は続きます。

ヤマトラジオ文学館の物語とリンクするようにオルタは手の平からのリンクケーブルを延ばし、回収されているガミロイドの脚部の部品と連結し、艦内ネットワークにつないだ時に見かけた「女神」を探してヤマト艦内を徘徊するようになります。

一方真田副長に「オルタニオマエハ何者カト聞カレマシタ」と報告するアナライザー。真田副長になんと答えたかと聞かれ「友達…ト…」と答えるアナライザーがなんだか愛しくなってきました。アナライザーってあまり記憶はないのですが、オリジナルでは森雪にセクハラしまくるロボットのイメージしかなかったのですが、今作では結構生真面目なロボットですね。「友達か…いい答えだ」と言った真田さんの気持ちも気になります。

というわけでオルタはその「女神」を探しに艦内を勝手に徘徊するようになるのですが、オルタの言う女神って何なんでしょ。オルタはどうやら艦首にあるイスカンダルまでの自動航法装置に向かっている模様。前回ヤマトラジオの岬百合亜に保安部の星野透が言っていた開かず間の話と関係あるのでしょうか。女の幽霊が出るという噂があるという事でしたが。どうやらその開かずの間こそが自動航法装置のある部屋のようです。これも伏線なのかな。アナライザーはオルタが自分は何者か知りたがっていた、女神に会えばその答えがわかる思っている、と真田さんに言います。自動航法装置のことを女神と思っているようです。こうなってくるとその自動航法装置が怪しいです。

流れよ我が涙、と人形は言った
武装した保安部員(指揮官はあの糸目の伊東真也)達がガミロイド兵を追いますが、アナライザーによるとオルタは敵に囲まれると自爆するようにプログラムされている事がわかったとの事。第2砲塔の装備室に逃げ込み内側からロックをかけるオルタ。ここで岬百合亜も現れてロボットに心があるのかの問答に入ります。岬百合亜は心があれば機械でも捕虜として扱うべきと主張。冷ややかに機械は機械だとあざ笑う伊東真也。それに対して「だが、我々の脳も同様に多文書多重処理によるオートマタまたでないとは言い切れない」とややっこしいことを言い出す真田副長。人間の自意識ですらコンピュータと同じ処理系の生み出した幻想かもしれない、と哲学的なお話に没入していきます。「真田副長、まさか、あなた、アレに心があると思っていませんか?」と嫌味を言う伊東に「私には・・・君に心があるのかどうかさえわからない」と嫌味返し(真田副長はマジで人間の自意識ですら疑っているようですが)が小気味良いです。それにしても伊東真也、嫌味な奴ですね。この人もイズモ計画にかんでるんでしたっけ?新見女史になれなれしかったですよね。まぁ人間、十人十色といいますからこういうタイプの人間も用意することでドラマに厚みを持たせようとしているのでしょうが。

最後は第二砲塔から甲板に出たオルタ。それを先回りして待ち受けるアナライザー。背景には赤く燃えたぎる恒星。オルタの手の平を掴むアナライザー、手の平からシステムに侵入しようとします。「イヌ・・・ネコ・・・ソンザイ・・・女神・・・死・・・」とたどたどしく地球の言葉を発生するオルタ。最後に発生した単語は「・・・トモダチ・・・」オルタは活動を停止しました。しかし自爆はしなかった。敵に囲まれた時に自爆するというプログラムは発動しなかったわけです。「分析の結果が出た。オルタのタスクレコードのの中にはブービーが発動した形跡は見つからなかった。・・・うん、少なくとも、一人以上はこの船に味方がいると認識していたということだ」と真田さんはオルタから回収したタスクレコードの分析結果をアナライザーに伝えます。せめてもの救いといったところでしょうか。もちろんアナライザーにも「心」があるとしての話ですが。

観測員9号の心
イブの皮は剥がれ、間接は捥げ、歯車と、シリコンで出来た、機械の体は露わになりました・・・それを今は哀れだと思っていない、自分もウーダン老人が作った自動人形だと知ったのだから・・・
最後は自室のベットに寝転ぶ真田さん、ラジオ文学館を聴き終えたのか照明を消します・・・シロシンタってシロー・シンタ、シロー・真田って事だったのか?というわけでガミラス艦隊は攻めてこず、AIには意志が存在するのか、人間もAIと同様にシンプルなプログラムの集合体に過ぎないのではないか、という古くからSFで取り扱われてきたテーマで1話やってくれた回でした。アイザック・アシモフやフィリップ・K・ディックのSF小説へのオマージュといった作りですが、共通して言えるのは元ネタのどの作品も日本人好みの内省的なテーマの扱っているということ。おかげでいずれの原作も現在においても廃刊にならずに容易に手に入ります。私的には、もっとヤマトとガミラス艦隊の激闘を楽しみたいので無理にこういう回を挿入しなくてもよいのでは、という感想ですが、お話的にはそう悪い話ではなかったと思います。今回のテーマを彷彿させる文学のラジオの放送を合間合間に挿入するというチョッとくさい演出ではありますが。

結局秘密裏に進行しているらしいイズモ計画の件や開かずの間(イスカンダルへの自動航行装置ルームらしい)にでる幽霊の話とかもまだまだ続きそうでひっぱるよねぇ。というわけで次回はどういった話を見せてくれるのやら。ドメル中将とか楽しみにしてるんですけど?そうそう、EDも変わりましたしねぇ。

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コメント

心はオルタにもアナライザーにもあります。
だからとてもやりきれなくて悲しくて・・

投稿: ミント | 2013年7月26日 (金) 13時35分

ミント様コメントありがとうございます。

たしかにこの回は切なくなる回でした。もちろんオルタは機能停止してしまったわけですから、せめてもの救い、なんてものがあるわけでもないでしょうが…真田さんのオルタが少なくともヤマト艦内でアナライザーだけは味方だと認識していた、というのが…いや、何を書いてもオルタは「死」んでしまったわけですからね…

投稿: くまっこ | 2013年7月29日 (月) 12時21分

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