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アニメ 翠星のガルガンティア 第12話「決断のとき」 感想

開かれるコクピット。「どうだ、また俺についてきて、くれる、か」その声の主はクーゲル中佐ではなく機械音声だった・・・

「わたくし、実はこの船団のやり口にほとほと嫌気がさしておりましてね。海賊稼業に戻ります。この船団には沈んでいただいて」展開ハヤっ、ヒディアーズの巣を殲滅させてからの展開の速さといったら・・・この物語だったら2クールぐらい欲しかったかな。ラケージなんか再登場からいきなり裏切る気満々オーラを漂わせて登場してましたしねぇ。フランジの船団がクーゲル船団に吸収される過程で、その異様な宗教的な体裁を纏った、社会貢献度によって階層化された特殊な社会の異様さをなんか描いて欲しかったし、反乱の機会をうかがいながらそれをカモフラージュする為にクーゲル船団の配下で忠実に働いて、こいつ何考えてるんだ、と思わせてくれるラケージなんかも見てみたかった。とにかく海中から引き上げた武装の修復の任務を与えられて大喜びのピニオン「安い男」と炊きつけ、いきなり反乱を持ちかけるラケージでした。しかし反乱するにはチェインバーの力が必要だとは思っている模様。

「戦線に復帰できないのなら、この地球を俺たちの理想郷に、第二のアヴァロンとする。我々の正義に変わりはない、ためらうな」ガルガンティアへの攻撃を中止してもらえないかを頼みに来るレドですが・・・もちろんクーゲル中佐は姿を見せず、ストライカーに向かって訴えます。そのストライカー、ロボットなのに巨大な玉座に座ってる!!この描写は面白い上に象徴的でもあります。このストライカーがあたかも船団の支配者であるような(というか実際そうでしたが)描写。こんなところも尺とって掘り下げてほしかったなぁ。クーゲルの立体映像がレドに語る中「それじゃぁ・・・銀河同盟となにも・・・」とつぶやくレド。やっぱり銀河同盟のやり方に疑問を抱くようになってたんですね。

「俺は、こんなものを見るためにここに来たんじゃない」雨が降りだし、真水が貴重なガルガンティアで雨水集めに奔走したことを思い出すレド。しかしクーゲル船団では民衆が天に両手を上げ薄気味悪い唱和をするのを目にします。白色の拘束衣を着さされ、椅子に座らされた集団。その椅子を乗せた台車ごと船団をつなぐ橋の上に運ばれ、顔に覆面をかぶされ、次々と海中へと投棄されていく。おそらく病弱でこの船団では役に立つことの出来ない人々。そのなかにはかってレドが幼少時に知り合いだった少年やガルガンティアのベベルと同じくらいの、まだ幼さが残る少年の姿も。歯軋りするレド。そうです、レドはエイミーベベルたちをヒディアーズから守る為に船団を離れてここに来たのに。ガルガンティアがこの船団に飲み込まれたら病弱なベベルも同じ運命をたどることになってしまいます。エイミーを悲しませることになってしまいます。この異様な光景にもちろんピニオンも嫌悪感を抱きます。「やっぱこいつは無理だわ」雨でご自慢のリーゼントが崩れながらもクーゲル船団に見切りをつけるピニオンの不敵な笑みはなかなか男前です。

「俺は中佐と戦えるか?チェインバー!!」クーゲル中佐からの戦闘指揮下入るようにという指令にたいして判断を求めるチェインバーにレドはお前はストライカーと戦えるかと聞きます。一応ストライカーの行動は同盟の軍務の範疇にはない行動だとして交戦対象となりうるとの回答。なら俺は中佐と戦えるか?と問うレド。しかしその答えは支援啓発システムである当機の機能を越えるもので、戦闘行動の方針策定はいかなる場合も貴官に委ねるものだと解答するチェインバー。なんかこのやり取りにホッとしました。支援啓発システムが行き過ぎるとチェインバーがレドをコントロールするようになるのでは、ロボットが人間の意志をコントロールすることもありうるのでは、と思いましたが、どうやらチェインバーはそんなことはしないようです。戦闘行動の方針策定はあくまでも人間がするもの。そのやり取りを見ていたピニオンも笑みを浮かべます。

ガルガンティアへの危機を知らせるべくメルティーに伝令を託すレド。無線では傍受されてしまう・・・サーフカイトでガルガンティアまでの長距離を飛ぶメルティ。ガルガンティアまで後一歩のところであわや力尽きかけたところをエイミーに助けられ、何とかガルガンティアに危機を伝えることが出来ました。このメルティーの命がけの伝令も尺をとってじっくり描いて欲しかった気がします。その知らせを受け取ったガルガンティア、リジットは進路を変えて避難するしかないと言いますが、エイミーはレドが一人で戦うつもりなのに自分たちは逃げ出してそれでいいのかと反対。それを聞いていたオルダム先生「彼が選んだんなら、我々も選ばねばなるまい。・・・リジット、あの鍵を使うときが来たようだ」えぇー、リジットが前船団長から受け継いだ金の鍵、あれ秘密兵器だったんですか!ここに来てガルガンティアにそんな裏技が隠されていようとは・・・この作品って全何話だったっけ?

「ここは地球だ、銀河同盟じゃない。・・・責任?違うこの星には、ここで生きる人達が気付いた世界がある。それを壊して良い訳がない」いよいよガルガンティアへの侵攻が始まる。臨戦態勢に入るストライカーの前に立ちはだかるチェインバー。いよいよマシンキャリバー同士の戦いが始まります・・・というか前回クーゲル中佐との再会で指揮下に戻ることに嬉しそうにしていたレドが今回で既に反旗を翻すとは・・・返す返すもこの尺の短さが惜しい。先に攻撃したのはストライカーでしたね。クーゲル船団の女性指揮官(というより神官)が「よせ、これは神々の戦いである」と住民を静めようとしていたのが笑える。たしかに何も知らないこの世界の地球人からみたらこのバトルは神々の戦いだわな。レーザー攻撃あり、ミサイル攻撃あり、で空中戦はなかなかの迫力です。しかし能力的にはやはり上位機種であるストライカーのほうが上らしく、レド苦戦!しかし地上からレーザー兵器の援護が。ピニオンです。「ピニオン、引け。これは俺の戦いだ!」「黙れよ!おめえらも大概だが、そっちの御神体の方が万倍むかつくんだよぉ」ここに来て急にカッコよくなったピニオンです。今までどちらかといえばギャグキャラだったピニオンが急にカッコよくなったことには少し心配です。死なないでね。

ストライカーとチェインバーの戦闘の最中、フランジ船団は船団を無理やり連結吸収された船団を分離、反乱に打って出ます。それと同時にラケージも反乱。しかし死闘の続く空ではマシンの性能差はいかんともし難くストライカーの機動がチェインバーを凌駕。チェインバーは敵機頭部への攻撃の集中による一撃離脱を推奨。しかし中佐を殺したくないとその手を取らないレド。そのためじわりじわりと追い詰められ遂に後ろを取られます。その危機を救うのがまたしてもピニオン。レーザー砲の援護はストライカーに一瞬の隙をつくり、今度はチェインバーがストライカを羽交い絞めにし、そのまま船団の鉄柱に押し込みます。コクピットから出たレドはストライカーのコクピットを緊急解除。この地球上で始めて姿を見せるクーゲル中佐は・・・やはり死んでいました。空気に触れてミイラ化して散っていくクーゲル中佐の遺体・・・これまでのクーゲル中佐の言動はすべてストライカーが演じていたものなのか?「レド少尉、貴官の抵抗は無意味である」という言葉はすでにクーゲルの声ではなくストライカーの声で発声。あの銀河同盟の劣悪コピーのような異様な社会構造を作り出していたのはストライカー自身だったのでしょうか。それとも途中までクーゲル中佐は生きていて、中佐のが死んでからもその意志を忠実に実行しているだけなのか・・・チェインバーは方針策定はあくまでも人間が決定するものだというスタンスを取っていましたが、指揮官機であるストライカーがチェインバーと同じとは限りません。もし最初からクーゲル中佐が死んでいて、クーゲル船団を作り上げたのがストライカーだったとしたらこれほど恐ろしいことはないですね。機械が人間よりも上位の存在になってしまいます。

というわけで今回の感想はといえば・・・展開がここに来て急すぎるよ、これなら2クールでやって欲しかった!というに尽きるというところでした。

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コメント

まさか本当にクーゲルが死んでいるとは思いませんでした(笑)
ここの感想読んで「まさかそんなことはあるまい」とか思ってたのに…完全にやられましたね。(笑)

やっぱり尺が足りないですよね。途中いくつかあった一話完結を減らして尺を作ればいいのにな…と思ったり思わなかったり。まぁあそこらへんも面白いんですけどね。

スリアイ様コメントありがとうございます。

クーゲル死んでましたねw、でもレドには申し訳ないけど、クーゲルが死んでいることでやっとストライカーとも心置きなく戦えるのではないでしょうかと思ったりもします。

それにしてもやっぱり尺が短いのが残念。でもまぁその分毎週毎週、ほほう、こう来たか、と驚きをもって見れるからこれはこれでイイのかもしれませんが。
今度は船団長の金の鍵がどんな力を持っているのか、とか最後まで息をつかせぬ展開が楽しめそうですしね。
でわまた。

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