アニメ 翠星のガルガンティア 第3話 「無頼の女帝」 感想

「アリガトウ」最初にレドがおぼえた言葉。感謝を意味する慣用句・・・少しづつ、少しづつだけど距離が縮まっていく。まったく違った文化を持つもの同士がお互いを理解しようとするというお話は・・・素敵ですね。

「敵」という言葉に対する認識の違いからエライ問題に発展しました。レドにとって敵とは宇宙生命体ヒディアーズのような決して相容れることの出来ない殲滅しなけらばならない異質の存在。エイミーは海賊に襲われたべローズたちを助けてもらうつもりでレドに助力を頼んだのに想像を超える結果になってしまい思わずレドに「レドの馬鹿！」と叫んでしまいます。

慌てるのはガルガンティアの幹部連中。レドを追放しようとか、海賊にレドを引き渡そうとか話はまとまらず。リーゼントの兄ちゃん（ピニオン、CV：小西克幸）は奴が海賊と組んじゃったらどうするんだよ、と結構ましなことを言うと思ったらやっぱりユンボロだけ頂いて・・・（おそらく小僧は海に沈めちゃえと言おうとしたと思います）、と相変わらずでした。いい加減ほかの事は言えんのかこの兄ちゃんは。

そんな悪くなる状況を打開したのが実際レドに助けてもらったべローズ。目の前で海賊が蒸発したのを目の当たりにし、レドに対して海賊以上の恐怖心を持ってしまうのでは、と危惧しましたが、むしろレドに地球人たちのやり方を理解させる為に人肌脱ぐというまさに姉御肌な所を見せてくれました。レドとチェインバーの待機するクレーン上（やっぱりここに戻ってくるんだ？）に海側からカイトでエイミーに運んでもらいレドの前に降り立ちます。

鳥を一羽丸ごと差し入れに持ってきてくれたべローズですがまたしても「生物の死骸を摂取するように求めている」とチェインバー。うーん、人類銀河同盟はいったい何食って生きてるんでしょうねぇ。海賊は人間だ、同族だ、軽々しく命を奪っちゃいけない、とレドを説得していくべローズ。べローズの話の中で「魚を釣ってきた者には真水をあたえよ」という格言みたいなものがありました。べローズやエイミー達ガルガンティアの民たちが海洋で生活を営んでいるっていう実感が伝わる言葉ですね。人死にが出るとより多くの血を流さないと引っ込みがつかなくなる、と殺生をしないように説得しながらも、海賊とやりあうにはあんたの力が必要だ、と通信機を渡し、船団幹部と話をする糸口を用意します。ある意味大活躍ですよね。最後に「結果はどうあれ、アンタは私を助けてくれた。この鳥はその礼だ。じゃあな」と気持ちよく謝意をあらわし去っていきます。べローズ、いい娘だなぁ。

海賊のボスは女だったんですね。「状況は分かりましたわ。もうお下がりなさい。以前から気に食わないと思っていたけど、ここまで舐めたマネをしてくださるなんてね」と生き延びた部下からの報告を受けるのは赤髪に露出度満点のケバケバの海賊衣裳に身をつつんだグラマーなおねえちゃんラケージ（CV：恒松あゆみ）。脇に紺色のロングの髪と金髪のショートカットの髪の女の子に首輪をつけて侍らせていますが、この子達はガルガンティア船団を襲撃する時にガンボートのような船でラケージを楽しそうに援護していましたからただの奴隷ではないようですが。旗印がロブスターなんですね、海賊の大船団がガルガンティアの航路を阻むように近づいてきます。

べローズは船団長にレドの力を借りようと提案。レドに渡した通信機でレドに連絡を取ります。「接近中の船団は既に捕捉している。貴君等を支援する用意がある、望むか」というチェインバーの声を聞いた船団長のフェアロック（CV：手塚秀彰）はリジットに交渉をさせます。「べローズに聞いた。君たちは魚に釣ったものに真水を与える、と。海賊はその言葉を守らない連中であることも。だから、海賊よりも君たちとの交渉が有益だと判断する」この言葉を聞いたリジットもレドとの取引に応じてもよいのではと船団長に提言し、やっとレドとガルガンティアの住民たちの関係が一歩近づきましたね。それにしても、エイミー、べローズ、そしてリジットと男どもがおたおたしている間にレドとの交流を成し遂げていくのは、やっぱり女性陣なんですね。レドの周りには女性が集まってきて羨ましいものです。結局レドって地球来てから女性としか話してないんでは？でも船団の長老たちにの中には、得体の知れない小僧に我が船団の防衛を担わせるなんて、とぼやく否定的な人もいて予断は許しませんがね。

過剰な攻撃は絶対に控えて、というリジットの提言を受け入れ戦闘に参加するレドとチェインバー。後半は海賊たちとの水上戦が展開されて見応え十分。戦闘は夜間になるようですが、それにしても星空が綺麗なアニメです。満天の星空に煌々と明かりをともす船団都市の姿は本当に幻想的です。その都市の照明を落として戦闘の準備をするガルガンティア船団。チェインバーは巨大な照光機を装備し囮役になるようです。護衛船団と海賊船の砲弾が飛び交い水柱が立ち上るのシーンはこれまた重厚感があって良いですね。

海賊のユンボロはザリガニ型（ロブスターというべきか）の水陸両用で水中からガルガンティアに侵入、さらにラケージ専用のユンボロは赤いカラーリングでロケットエンジン付の水上艇に乗ってガルガンティアの船団長のいる塔に突撃を掛けます。海上を照らすサーチライト。飛び交う曳光弾、と見応えある映像です。最後は圧倒的な性能を誇るチェインバーがラケージのユンボロをブンブン振り回しはるか彼方に放り投げ、それを見た海賊たちも撤退していきました。

「何度も聞く言葉だな」「感謝を意味する慣用句である」住民たちの歓声のなかから聞き取れた単語を意識するレド。戦闘から帰ってきたレドを迎えるエイミー。「お疲れ様！こんばんもご馳走にするからね」と籠に入れて持ってきたのはぴちぴちと活きのいいお魚です。今度は生物の死骸じゃないぞ！どうだチェインバー。そんなエイミーにレドは「アレ・・・アレゲ・・・アリガ・・・アリガトウ」と声をかけます。最初に憶えたガルガンティアの人たちの言葉が感謝の言葉なんて・・・なんて泣かせてくれるじゃありませんか！

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