アニメ 中二病でも恋がしたい！第12話「終天の契約（エターナル・エンゲージ）」（最終回） 感想

「これが不可視境界線だ。あの光がお前を見ている。伝えるがいい、お前の思いを」勇太のDFMの真の力が不可視境界線を具現化させる！やっぱり勇太は主人公。そして邪王真眼は永遠に

「先輩、ガンバです！」ロングの髪を下ろした美少女、これが凸守！可愛いですけどなんか悲しい。あれから色々考えたという凸守が姿を変えたように極東魔術昼寝結社の夏の周囲の環境が変わっていく。そこには六花の姿がないのが不安を誘います。眼帯を取るようにすすめた勇太。六花が墓参りに行くの止めなかった勇太。六花は家にいる気配もなく学校でも姿を見せず。部室に行けば、髪を下ろして魔方陣の電飾を片付けている凸守。その姿に「気持ちワル！」とひく勇太ですが・・・「気持ち悪い？もしかして暗黒樹の芽でも食べましたか」というところどころに残る中二病セリフにかすかな希望を残しつつ。「あれから色々考えたんですよ。マスター、いや、小鳥遊先輩の事とか、先輩が行ってた事とか」その続きは一色の乱入で聞けませんでしたが勇太はこの凸守の違和感に何を感じるのか。

そしてこちらにも変化が！！！「ううん、平気・・・風邪だったらいいけど、大丈夫。これを飲めば・・・知りたい？」一色に呼ばれてくみん先輩の教室に行ってみれば右目に眼帯、左腕に包帯を巻いてなにやら中二病チックに級友に応えるくみん先輩が！思わず笑ってしまったわ！「来た！ダークフレイムマスター・・・わたしの目、見る？」と中二病セリフで勇太に話しかけるも、いやいいですと即答で断られ「えー、そんなこと言わないで」って素に戻るくみん先輩がまた笑える。この人やっぱりすごい人でした。六花の想いを勇太に届けようとしているのだとは思うのですが、こういうことする発想がね。「ふっ、真似ではない。伝承したのだ。邪王真眼から。そう、先の月なき夜、彼奴はその闇の力のすべてを託したのだ。つまり私は邪王真眼の継承者」一色の「いいですよそんなもの継承しなくても」と涙の突っ込みがまた笑える。「そういう訳にはいかない。邪王真眼は生き続けなくてはならない。ダークフレイムマスターがいる限り」このくみん先輩のノリノリの中二病セリフは良かったですね。六花の物真似が結構うまい？「六花がそう言ったんですか」と聞く勇太にうなずくくみん。「おぉー、なんかちょっとカッコいい・・・デス」と反応している凸ちゃんにすこし希望が（何に対して？）がもてます。

凸守、くみんと続いて森夏のターン。すっかり片付いた部室で勇太と森夏。勇太は森夏に演劇部はどうだったか聞きます。文化祭のパフォーマンスの代役が演劇部の目に留まりスカウトされてたんですね。しかし演劇部も今ひとつお気に召さない様子。結局森夏もこちら側（？）の人間なんですよ。部長の演劇にこめる熱さに「別に熱いのはいいのよ。いいんだけど、なんか聞いてると、うわっ、中二病、とか思ったりして」という感想からモリサマーの中二病談義に入ります。「中二病とは違うのかもしれないけど、なんかこう、自分は人とは違う、自分だけは気付いているから特別だー、とか、そういうのにすごい捕らわれているって言うか。ほら、富樫くんも私も中二病を卒業して高校時代は普通の高校生やるぞーって思ってた訳じゃない？でも、それだってきっと普通の高校生、みたいなイメージを自分で勝手に作って、それに捕らわれているのよ」何が言いたいんだと突っ込む勇太に「別に、人はいつも何かに病んでるのかなぁ、って」森夏は最初の頃からかなりイメージ変わりましたね。モリサマーの正体を暴露してから更にその上行ってしまって悟りの境地に達したかのような。ちなみに勇太と森夏が並んで立つと夫婦の雰囲気が感じられます。なんだろこの落ち着き感。勇太と六花は恋人って感じですけどね。「深いな・・・」「浅いのよ・・・富樫くんが」三者三様の言動、勇太の心を揺さぶります。

「そうか、結局全部オレなんだよな、眼帯とれって行ったのも、中二病卒業しろって行ったのも」妹樟葉に言われ始めて六花が祖父母のもとへ引越ししたことを知った勇太。「ママと、じいちゃんと、ばあちゃんも、幸せそうで。あたしがそうする、って言ったらとても安心して。だから、それがきっと一番いいんだと思う、勇太もそう思うよね」六花からのメールの内容とこのモノローグと全く同じかは分かりませんが、おそらく引越しをする旨の内容だったのでしょう。勇太が六花の為を思って言った事、突き詰めればこうなっちゃうんですね。でもそこに勇太の気持ちはあるのか？六花のメールに「分かった」と返そうした時にふと自分宛に手紙が届いていたことに気付く。

「この手紙をお前が読む頃、お前は既にダークフレイムマスターではないかも知れない。２０１２年マヤの予言により、世界を覆う滅びの波動はすべてを飲み込み、精神波動を弱体化させるからだ。お前はすべてを達観し、諦め、ただ目の前に見えるものを享受するだけの、愚かな一般人に成り下がってるかもしれない。そんな気配を今、オレは感じている。だからこの手紙を書いた。ダークフレイムマスターよ、騙されるな、お前には力がある。お前は闇の王、邪王によって選ばれし存在。誰でもない、お前は特別なのだ。」

なんと中二病時代の自分が未来の自分に送った手紙。こういうファンタジーな展開大好きです。過去の勇太凄すぎます。過去の勇太は自分の性格を知っていて未来の自分はきっと周囲に折り合いをつけて、その為には自分の気持ちを押さえ込んで生きているだろうと予想してたんですね。ダークフレイムマスターはきっとそういう自分と戦うための姿だったのでしょう。同封されていたゲーセンのコイン。何の力もねぇといいつつコインの表裏をやり「裏か、しょうがねぇな」とつぶやいた勇太の表情はダークフレイムマスタの不敵な笑み。深夜に一色に自転車を借り、向かうところは六花のもと。「そう、違う。俺があいつに言いたかったのは、してあげたかったことは、こんなことじゃない。オレは、オレは」

「待て、ダークフレイムマスター。お前にこの、二代目邪王真眼から、メッセージがある」またまた登場、くみん先輩！そのメッセージは六花がくみんに語った勇太への想い。父を亡くし祖父母の家に引越しすることになり、十花の団地に来ていた時にたまたま見かけた少年。真夜中に団地の裏の敷地でダークフレイムマスターに扮する勇太じゃないですか！「空気がべたついている、これは、近くに・・・いる」って銃を構えて茂みに隠れるシーンはLite第３話「わたしのお兄ちゃん」の別アングルになっていて面白い。結構おおぴらにやってるので、こりゃ十花さんにボイスレコーダーで録音されても仕方ないな。その姿に「自分の気持ちを押し殺して、何でも言うことを聞いている自分より、よっぽど素直でカッコいいな」って六花ちゃんは思ったんだよ、と勇太に語ります。「六花ちゃんは中二病に救われた女の子。富樫くんを見て、中二病と、その思いの強さに憧れた女の子。あなたの力に魅せられ、あなたの力を真似しようとした女の子。だから富樫くんだったんだよ！富樫くんじゃなきゃダメだったんだよ。六花ちゃんは、ずっと、ずっとずっと、ずっと」くみんのメッセージを胸に自転車を漕ぎ続ける勇太！坂道を駆け、跳ね上がる自転車、先には六花のいる町の明かりが。もうベタすぎて嬉しくなる展開です！六花を取り戻せ、勇太。それにしてもくみん先輩、おいしいとこ持っていくなぁ。

「勇太ではない・・・小鳥遊六花、いや、邪王真眼よ、お前に見せたいものがある」息も絶え絶えに、六花の部屋の外の屋根に上がり六花に呼びかける勇太。「オレと、契約を結べ！」さすがに屋根の上で叫んでたら家の人出てきちゃいますね。お爺ちゃん出てきて大変なことに。おじいちゃん、猟銃もってこい、とか言ってませんでした？「六花、来い！つまらないリアルに戻るのか！それとも、オレとともにリアルを変えたいとは思わないのか！」冷静に考えたらただの不審者ですけど、捕らわれの姫君を連れ出す、というのは物語の黎明期から存在する王道パターン。いいじゃないですか。猟銃を持ってこさせようと「ばぁさん！！！」と叫ぶおじいちゃんと「六花！！！」と叫ぶ勇太の声が交錯する中、窓枠を飛び越える六花。抱き合う二人！警察まで出てきましたがそこに現れるのは一色と森夏。痴漢と被害者を装いお巡りさんをひきつけます。「さぁ、早く行くデスよ」とツインテールを復活させた凸守とくみんもおじいちゃんを引きとめ勇太と六花の恋の逃避行をバックアップ！もうこういうベタさ爆発の展開は大好きだ！

水平線に瞬く光をみて「でも、あれは船の光。ただの光」と寂しくつぶやく六花に自転車から降りるように促し、浜辺に連れて行く勇太。「これが闇の力だ。爆ぜろリアル・・・弾けろシナプス・・・バニッシュメント・ディス・ワールド！！！」遂に勇太が技を発動、空気は鳴動し、世界は消失し、彼方に光が集合する空間が展開される！「これが不可視境界線だ。あの光がお前を見ている。伝えるがいい、お前の思いを。お前がずっと言えなかった思いを」。なんたる！最後はなんたるファンタジー！勇太はカッコいいし、不可視境界線の美しさは感動的です。「さよなら・・・さよなら、パパ！さよならぁぁぁ」今まで言えなかった思いを開放する六花。お父さんとの思い出がフラッシュバックされるのがまた泣けてきます。

そのあといきなりの大塚芳忠さんのナレーションがは入ってもう何のアニメなんだか分からんわ！ナレーションのなか自転車に二人乗りしてパトカーに追われているシーンが描かれていますが、このシチュエーション、勇太が六花を部屋から連れ出すシーンもそうですが、ルパンを思い出しました。明らかに意識して作ってるよね。「自分という名の避けては通れぬ営み。そう、人は一生、中二病なんだ」そうかもしれません。

ラストは満月の夜、勇太の部屋のベランダの欄干に例によってロープで降りてきた六花「わたしの眼、見る？」面白かったねぇ、見続けてよかったねぇ、京アニだから見とくか、程度だったんですけど、やっぱり「中二病」というワードに惹かれるものがあったんでしょうかねぇ。私的にはシリアス路線に進んでファンタジーでエンド、もう満足です。ラストで勇太のDFMの真の力も見れましたし。これから更に現実の圧迫は大きくなりますよ、それでも彼らにはリアルに迎合るのではなく、リアルを変えていってほしいものです！そう、現実から逃げるための中二病ではなく、現実に立ち向かうための中二病で。「ある、力はある。ある。だから捨てないでほしい」第１話のこのセリフが思い出されます。私も捨てないで（何をだ？）生きていこうと思いました。スタッフ、キャストの皆様、素晴らしい作品ありがとうございました。

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