アニメ 氷菓 最終回まで見て 感想
今にして思えば毎週感想書いとけばよかったなぁと後から後悔したぐらい。前評判だけであまり期待してなかったんですよね。そりゃ京アニだから校舎の隅々まで、モブの生徒に至るまで細部まで描き上げる映像には惹かれましたが、逆に言えば映像が綺麗だから見ていた、という感じでした。
原作実は知らなかったんですよね。クドリャフカの順番を見終わった後ぐらいから読み始めて最後の2話を見る前にアニメ追い越しちゃいました。原作を読んであらためて原作の世界(神山市、架空の市なのでしょうか?描写がしっかりしていてきっとモデルになる町があるのでしょう)をここまでアニメに起こせる京アニすごい!と思いました。
省エネ主義がモットーの折木奉太郎の第1話の印象もあまりパッとしなくて、よくアニメにいる主人公だな、と思ったくらい。ヒロインの千反田えるも、何にでも気になって主人公を巻き込んでいく、というよくいるヒロインという感じしかしなかったのですが。物語自体は手がかりは物語の中にきちんと用意されていて推理を楽しめます的な俗に言う「本格」というのでしょうか、ミステリーなのですが、私的にはあまり進んでミステリーとか読まないので原作もまったくノーマーク。でもおかげでアニメで新鮮な思いで楽しめました。
第1印象はまぁまぁかな?という程度。第1話なんて奉太郎が音楽室のミステリーにたいして音楽室まで行くのが省エネじゃない、と別のでっち上げの推理を千反田に投げかけそのまま下駄箱のところまで誘導して帰ってしまうというお話でしたから。しかし奉太郎もこのことは気にしていたみたいで彼の友人福部里志もこのことは高くつくよとか予言めいたことを言ってましたが、どんどん千反田の「私気になります」攻撃に巻き込まれていくんですよね。すこしづつ奉太郎の省エネ主義が崩壊していく(?)のが丁寧に描かれていて、最終回「遠回りする雛」では奉太郎が生き雛に扮した千反田の後ろ姿しか見れなくて、「気になる、気になる」と心動かし、自分の省エネ主義が崩壊して来ているを自覚していて、来るんじゃなかった、とか思い悩んでいるのが見ていて嬉しくなってきました。「手作りチョコレート事件」で里志に借りは返した、と、ちゃんと1話で里志に突っ込まれていたことを折木がかえしていて、そういうところもよかったですね。
面白さでいったら「クドリャフカの順番」。文化祭(カンヤ祭)をやらせたら京アニはすごいわ。6話使ってしっかり盛り上げてくれました。そのなかでは漫研と掛け持ちしている伊原摩耶花が漫研内で微妙な立場に立たされていて思い悩んだりとか、文化祭の最中におこった「十文字事件」に自ら解決してやろうと動いた里志が解決できずに結局折木に期待してしまうという微妙な男心とか、主要キャラの葛藤もきちんと描かれていて見応えありました。
個人的に好きだったのは「手作りチョコレート事件」結局千反田を騙す形になってしまって、里志に詰め寄る折木がよかった。里志の摩耶花に対する複雑な思いも理解はできないけど共感はできました。雪の舞い落ちる中橋の上で口論に及ぶ二人のシーンが感動しました。お互い気持ちをぶつけ合うって時には大切なことですね。ちなみに原作では名前がはっきり記述されていなかったロボット格闘もののアーケードゲームがそのまま登場していて、あのゲームにはまった自分としては嬉しかったというのもあります。バイパーⅡとかライデンとか泣けてきます!
最終回で自分の住んでいる小さな世界を見せたかったという千反田の想いと、千反田に結局は言えずに心の中の想いでとどまりましたが折木の想いが花びらの舞う桜の木の下で描かれ、すごい綺麗なラストシーンでじんわりときました。もっと彼らの活躍が見たいです。
原作では「ふたりの距離の概算」が今年に入って文庫で出版され、2年生になってのお話が描かれていますが、これまたいいお話なのでこれも是非アニメ化を!尺的に映画なんてちょうどいいのでは!こりゃ映画化だな、映画化!というわけで「氷菓」★5つつです!
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