アニメ Fate/Zero(フェイト ゼロ) 第23話「最果ての海」 感想
ブケファロスを疾駆させるライダー、未遠川に掛かる大橋に差し掛かったところでアーチャーに遭遇です。ここ一番という戦いの時にはこの場所が選ばれるようです。一応自由に戦えるよう人気のないところを決戦の舞台に選んでるのでしょうか、最終決戦(じゃなかったですね)にはふさわしく、見栄えのする場所です。
「怖いか、坊主」と訊くライダーに「ああ、怖いね。それともこういうのお前流に言うなら、心が躍るってやつなのかな」といつもと違い強がりを言わないウェイバー。やはりこの戦いが尋常のものではないことを感じているのですね。強がりを言わなくなったウェイバーの成長も感じられます。貴様も弁えてきたではないかと応えるライダーですがその先には冷たい目で控えるアーチャー。
OPあけてアーチャーとライダーは聖杯問答の時に飲み残したアーチャーの酒で最後の酒宴。この場に及んでアーチャーに、余のアイオニオン・ヘタイロイを貴様のゲート・オブ・バビロンで武装させれば星々の果てまで征服できるぞ、盟友にならないか、と勧誘活動しだすライダー。本当に豪快な方です。この二人が組んだらチートすぎて物語が成立しませんね。これにはアーチャーも大笑い。しかし孤高を貫く英雄王、我が朋友は後にも先にもただ一人のみ、王たるものも二人は必要ない、と返答。お互い酌み交わした杯を宙に投げ背を向けます。
「集えよ我が同胞、今宵我等は最強の伝説に雄姿を印す。敵は万夫不当の英雄王。相手にとって不足なし。いざ益荒男達よ、原初の英霊に我らが覇道を示そうぞ!!!」アイオニオン・ヘタイロイ発動!この必殺技、何度見ても心躍りますね。雲ひとつない蒼天の空に果てしなく続く砂漠という壮大な異空間を展開し精鋭たちを召喚させ全軍で突撃するというビジュアル的にこれだけカッコいい必殺技はあまり記憶にございません。ライダーの前に一緒に騎乗するウェイバーくんまでアララララーィってかわいらしい雄叫びをあげちゃって!
一方市民会館の地下駐車場にバイクで進入するセイバーにバーサーカーの強襲。手にするものを自らの宝具にする能力の彼は狙撃銃ッぽいもので武装しています。綺礼が用意したものでしょうか?セイバーのV-Maxを破壊しさらに狙撃。宝具化している為か、駐車場の柱を吹き飛ばす威力!その銃弾をかわし懐に入りその銃を真っ二つにするセイバー、すると今度はアサルトライフルっぽいものに持ち替えて連射しセイバーを追い払う、とこの辺の動画の出来ははすさまじいです。アニメを見ていて心わき立ちますね、こういう動きを見せ付けられると。バーサーカーが活躍すればするほど魔力が奪われ(体内の蟲が大活躍するのか)苦しむ羽目になる雁夜さん。「どうしてそんなに苦しむの」と現れたのは桜ちゃん?どうやらこれは妄想桜だった模様。「あぁ、約束しただろ、またみんなで、昔みたいに、一緒に、遊ぼうって」と壁を背に座り込む、桜の顔を見上げようとしますが雁夜の言葉に「じゃぁ、またお母さんに会えるのね」と訊く妄想桜。そう母の葵は雁夜自身が首を絞め殺してしまった人。見上げた目線の先にはくそ虫を見るような空恐ろしい目つきの葵さんが・・・怖すぎる!!!ついには自分の妄想にまで苦しめられる雁夜、カワイソすぎてみてられん。そんな雁夜の事はお構いなしにマシンガンを撃ちっぱなすバーサーカー、対抗するセイバーは剣を梃子に止めてあった車を立てかけ盾にして弾幕を防いで突進。バーサーカーの懐まで進み剣を振るう、と目にも留まらぬアクションが展開されます。
インビジブル・エアで剣を見えなくしているにもかかわらず白羽取りで止めるバーサーカーに剣の間合いを知られていることに驚くセイバー。「その(?)、さぞや名のある騎士と見込んだ上で問わせてもらう。この私を、ブリテン王、アルトリア・ペンドラゴンと弁えた上で挑むなら、騎士たる者の誇りをもってその来歴を明かすがよい。素性を伏せたまま挑みかかるは、だまし討ちにも等しいぞ!」このセイバーの正々堂々の名乗りにバーサーカー切れちゃいました。自らを隠していた黒い霧を払い本性を見せたバーサーカー。「アロンダイト」とバーサーカーが握る剣の銘を知っているセイバー。「まさか、あなたは!」カブトが割れ現れたのは・・・セイバーの脳裏に浮かぶ面影は憂いを帯びた切れ長の眼を持つ長髪の騎士・・・サー・ランスロット。しかしバーサーカーとして現界した彼の顔、キャスターかと思った・・・1期のEDで湖畔に立つ騎士は彼だったんですね、11話聖杯問答ではかってキャメロットを去った騎士が居た、って思いっきり伏線張ってましたもんね・・・貴様は臣下を救うばかりで導くことをしなかった、とライダーに言われたことを思い出し苦悩するセイバー。「導くことをしなかったから・・・私の理想が、私という王が、あなたをそんなにも追い詰めてしまったのか?」しかしその問いもバーサーカーには届かず、ただ「アーサー」と憎悪の声を絞り出し剣を振るうバーサーカー。防戦に回るだけが手一杯のセイバー。聖杯問答の時に突きつけられた王としての資質がここに来て問われるとは。これに答えを出すことが出来るのか、それともFate本編の方で語られるのか・・・切嗣との関係といいなかなか視聴者をすっきりさせてくれないセイバーですが、今まで優等生タイプだった彼女がここに来てやっと人間らしい苦悩を見せてくれた事ではよかったと思います。きっとそういう人間らしさを王としての理想像で隠していたから見ているこっちも今ひとつ共感できなかったんでしょうね。
「夢を束ねて覇道を志す。その意気込みは褒めてやる。だがつわものどもよ。弁えていたか?夢とはやがてことごとく、醒めて消えるのが道理だと」鍵状の剣(?)を出現させたアーチャー、その剣から伸びる赤い格子状の結晶(?)。それが消えると別の剣(槍?)が出現!これが「エア」のようです。「いざ仰げ!エヌマエリシュを!!!」一振りでライダーの固有結界を崩壊!せっかくのヘタイロイも地面が崩れてはなす術なし!対界宝具?森羅万象すべてを崩壊させる?そんなのありですか?こんなゴールドセイントどうやって倒したらいいんですか?固有結界そのものが破られ元の大橋に残されるライダーとウェイバー。
「そういえば、一つ訊いておかなければならないことがあったのだ、ウェイバー・ベルベットよ。臣として余に仕える気はあるか」ここからが今回の真の見せ場でした。初めて(じゃないですか?)本名をよぶライダー。その表情は今までにない厳粛さ。その言葉に目から涙が溢れ出し止らないウェイバー。「あなたこそ、あなたこそ、僕の王だ。あなたに仕える。あなたに尽くす。どうか僕を導いてほしい。同じ夢を見させてほしい。」涙ながらに訴えるウェイバーのヒロインぶりに見てるこっちも目頭が熱くなります。「うむ、よかろう」とライダーはウェイバーを馬から下ろします。「夢を示すのが王たる余の務め。そして王の示した夢を見極め、後世に語り継ぐのが臣たる貴様の勤めである」厳しい顔で命を下した後に破顔するライダー、カッコよすぎる!主人公じゃないですか!「生きろ、ウェイバー。すべてを見届け、そして生きながらえて語るのだ。貴様の王のあり方を。このイスカンダルの疾走を!」と今度は父親の眼差しというのでしょうか、凛々しくも優しげな表情で語るライダーでした。「さぁ、いざ行こうぞブケファラス!彼方にこそ栄えあれ、届かぬからこそ挑むのだ。覇道を謳い、覇道を示す、この背中を見守る臣下のために!」愛馬を疾駆させるライダ。涙をぬぐいその姿を目に焼き付けようとするウェイバー。ライダーの言葉ってどうしてこう胸に響くんだろうな。
ゲート・オブ・バビロンから繰り出される数多の宝具。愛馬も倒れ、それでも自らアーチャーに剣を浴びせようと駆けるライダー。BGMまでカッコいい!天から降り注ぐアーチャーの宝具に傷を負いながらも走り続けるライダー。遂にアーチャーの懐までたどりつき一太刀!しかしゲート・オブ・バビロンからは鎖が放たれ四肢を封じられるライダー。なんだよ、このネビュラ・チェーンはよう、このゴールド・セイント強すぎだろー!!そしてエアで止めを刺されるライダー。
「夢より醒めたか、征服王」「あぁ、うむ、そうさなぁ、此度の遠征もまた存分に、心、躍ったのぉ」「また幾度なりとも挑むといいぞ、征服王。時の果てまでこの世界は余さず俺の庭だ。ゆえに俺が保証する。ここは決してそなたを飽きさせることはない」剣を抜き語るアーチャーは相変わらず上から目線ですが、彼なりのライダーへのねぎらいのように聞こえます。潮騒の音を聞きながら目を閉じるライダー「あぁ。そりゃ、いいなぁ・・・そうか、この胸の高鳴りこそが、オケアノスの潮騒だったのだ・・・」
「お前に挑めば僕は死ぬ。それは出来ない。僕は生きろと命じられた」ライダーを葬った後ウェイバーの前に来るアーチャー、お前がライダーのマスターか問います。しかしウェイバーは「違う、僕はあの人の臣下だ」と応え、さらにお前が忠臣なら亡き王の仇を撃つ義務があるのではというアーチャーにこの返答をするのですが・・・ウェイバーの握り締めるこぶしが映りますが、これはアーチャーが令呪がない事を確認したのでしょうね。結果的に令呪がなかったから殺されなかっただけかもしれませんが「忠道大儀である。ゆめそのあり方を損なうな」とウェイバーに背を向け去っていく(霊体化ですが)アーチャー。むしろこれは死闘を繰り広げたライダーに対しての敬意でしょうね。ライダーがこの少年に生き続けてほしいと思っているのを酌んだのでしょうね。最後まで心を震わせてくれたライダーの最後、そしてその生き様を胸に生き抜くことを決意したウェイバー、やっぱりこの二人が居なかったらこの物語、ここまで感情移入出来なかったです。とても泣けました。
そしていよいよラストバトルですね、魔力を搾り取られ苦しむ雁夜、バーサーカーの憎悪に攻勢にでれないセイバー、市民会館のホールの中央には台が設けられ横たわらされているアイリ。綺礼のもとに赴く切嗣、「主は我が魂を蘇らせ、御名のために我を正道へと導かん。たとえ死の谷を歩むとも、禍を恐れるまじ。主はわれと共にあるがゆえに。あなたの鞭とあなたの杖が私を慰める。あなたは我が敵の前で宴をもうけ、我がこうべに油を注ぐ。盃は溢れ、我に恵みと慈しみを与えるだろう。・・・盃は溢れ、我に恵みと慈しみを与えるだろう」という綺礼のモノローグがいよいよ最終局面への展開を盛り上げてくれます。すごい物語にマッチしているフレーズなので聖書っぽい文言を創作したのかと思いつつ検索したら、旧約聖書・詩篇23編にこのフレーズがあるんですね。とにかく今回はライダーの生き様に泣けた回でした。ここのところ毎回誰かお亡くなりなるというハードな展開ですが、まだまだ結末まで何が起こるか目が離せません!次回「最後の令呪」
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コメント
バーサーカーの正体がついに明かされました。
私は原作を読んでいる途中で友人にサラッとばらされてショック受けたのを覚えてます(笑)
fateには何人か円卓の騎士が出てくるんですが皆めちゃ強いですから、「王の軍勢」みたく召喚できたら無双だったと思います。(それができないからセイバーさんは苦悩してるんですよね(^-^;)
そして次回予告の台詞、「私の聖杯を奪うのか!!」・・・うーん、今から楽しみです( ̄ー ̄)
投稿: テル | 2012年6月10日 (日) 20時19分
テル様コメントありがとうございます!
今回のバーサーカーの正体が明かされて、何故気付かなかったんだろ、不覚!という思いです(^-^;アレだけセイバーに絡んできて「聖杯問答」の回ではすごいヒント出てたし。1期EDでも数えたら湖(?ですよね)の畔に立つ騎士はどう考えたってバーサーカーなんだし…
1回の聖杯戦争に同時代の英霊が二人以上呼び出されない、と勝手に思い込んでいて思考停止していた模様。それにしてもこの作品、バーサーカーが暴れるシーンは異様に力入ってますよね。来週はいよいよセイバーVSバーサーカーの決着でしょうか、どういった決着になるのか…ホント楽しみですよね!
投稿: くまっこ | 2012年6月11日 (月) 01時13分
>そう母の葵は雁夜自身が首を絞め殺してしまった人。
あれ実は死んでないんだよね^^;;あれが原因の重い脳障害により痴呆症になって数年後死亡。
>対界宝具?森羅万象すべてを崩壊させる?そんなのありですか?
エアによって天地が分かれて今の世界ができたって宝具ですからね。
>なんだよ、このネビュラ・チェーンはよう
天の鎖エンキドゥ(ギルが唯一認めた大親友の名前を付けた)神獣の雄牛を縛りあげたって逸話持ちの宝具なので対象の神性が高いほど効果が高い(無いとただの頑丈な鎖^^;;;)
投稿: m | 2012年6月14日 (木) 03時29分
>セイバーの王としての資質
えーっと……一応、答えは出しますが
本人が真に納得した答えはFate/stay nightで語られるので、ZEROでの解答は……
>このゴールド・セイント強すぎだろー!
実はまだ本気じゃなかったりします。
そんなに手加減した訳でないのですが
正真正銘の全力には遠かったり……
本気を出したら、1日で聖杯戦争が終了します
投稿: enkd | 2012年6月14日 (木) 04時15分
m様コメントありがとうございます!
アーチャーの宝具何でもありすぎですー(^-^;;;っていうか、そうなると天地開闢の頃の英霊だとほとんど神ですね。
>あれ実は死んでないんだよね^^;;あれが原因の重い脳障害により痴呆症になって数年後死亡。
てっきりお亡くなりになったものと・・・そうなんですか?その設定に何の意味が!それにしても今回の雁夜の妄想葵のあの蔑みの眼差しは強烈だった・・・
投稿: くまっこ | 2012年6月15日 (金) 01時56分
enkd様、コメントありがとうございます。
>本人が真に納得した答えはFate/stay nightで語られるので、ZEROでの解答は……
はい、Zeroが終了したらstay nightに手を出そうと考えてます。そちらでのセイバーの活躍に期待しています。
>本気を出したら、1日で聖杯戦争が終了します
本当にそう思います。強すぎて本気を出せないんでしょうね・・・そう思うと孤高の王もちょっとかわいそうですね。
投稿: くまっこ | 2012年6月15日 (金) 02時02分
イスカンダル「この胸の高鳴りこそ最果ての海の潮騒だった」
雨生龍之介「自分の腸の中に探していたモノがあった」
虚淵が自分の書いたキャラに嫉妬するようなタマナシだからかもしれないけど第二要素である魂は水に照応してるし最果ての海は魂が還る場所というか人類の集合的無意識的なモノなんだろうからイスカンダルが最果ての海を目指したのも承認欲求を満たしてかっこよくシにたかっただけじゃねえの
星の海を征服するとか言ってたけど結局人類にとっては宇宙服なしじゃ生きてけない場所を目指してる事には変わりないしな
最果ての海に行きたいって言うばかりで行って何をするかを語れないような死にたがりの王にこれだけ人望やカリスマがあるんだから創造主にとって都合のいいサンドバッグでしかない人類なんて最初から存在しないほうがマシって結論に至るのは現実だろうが二次元だろうが変わりないんだろ
投稿: | 2019年7月 7日 (日) 18時18分