アニメ Fate/Zero(フェイト ゼロ) 第22話「この世全ての悪」 感想
う、ウェイバーくん、やっぱり歩いて帰ってきたのか!ライダーは霊体化している模様。もう明け方の空になっています。家にたどりついたウェイバーに声をかけたのは屋根の上から声をかけるのはおじいさん?ここにきてマッケンジー爺さんに出番が回ってくるとは。しかもウェイバーを驚かせる言動を。
「人生長生きした後で振り返ってみればな、命と量りにかけられるほどの事柄なんて結局のところ一つもありはせんのじゃよ」これからのラストバトルを前にしたウェイバーに語りかけるこの老人の言葉。ライダーとは違っておそらく平凡な人生を生き抜いてきた老人の言葉は、ライダーの言葉とはまた違った重みがありますね。この言葉にウェイバーは何を思うのか。ウェイバーが日本に潜伏する為魔術で孫と思わせていたその老人はすでに魔力が解けていた?「お前が小さい頃はこうして何度も星を眺めた。憶えとるか?」と言うお爺さん、まぁね、とうなずくウェイバーに「こうしてお気に入りの屋根の上に座ってな、孫と一緒に星を眺めるのが昔からの夢だったんじゃ。まさか叶うとは思わなかったが」実は本物の孫とは星を眺めた事などなかった・・・本物の孫たちは一度もこの屋根の上に来てくれたことがなく、いつも一人で星を見ていたと語るお爺さん、彼は彼なりに辛い思いをしてきたんでしょう。騙されていたとはいえその夢を叶えてくれたのがウェイバー。お婆さんはウェーバーが来てから以前では考えられなかったがよく笑うようになった、と騙されたていたことを怒らなくてはならないところを感謝したいぐらいだと言い出します。出来ることならもうしばらくこのまま続けてほしいというお爺さん。ラストバトルを前にこんなシーンを持ってくるとは。ほろっと来た瞬間です。これからのラストバトルを前に約束はできないというウェイバーに言ったおじいさんの言葉・・・命と量りにかけられる事柄など結局一つもない・・・そうなのかもしれません。ウェイバーくん、これはもう必ずここへ帰って来いよ、って事ですよ!
ところ変わって長い石段の上に立つ結構立派なお寺、円蔵山で綺礼の行動を推測する切嗣。この場所は聖杯の儀式行うに必要な霊脈がある4つの場所のひとつらしく、遠坂邸、聖堂教会は綺礼の不在が確認できていて残る二つがここと後一つが冬木市民会館。切嗣はより儀式に適した場所として円蔵山に張り込んでいるようですが、万が一市民会館だとしたら?ここに来て舞弥の不在を意識する切嗣。「また、一人になったな」という切嗣が痛々しい。そこにセイバーが現れても「そういえばアレを頭数に入れていなかったな」と無視し続けるのがまたなんとも言えん。当てもないアイリの探索を続けるセイバー。それならばセイバーに市民会館を張らせてもいいのにね。セイバーも報告だけしてそのまま去っていく・・・もうこの二人は理解しあうことがないのでしょうか。
アイリはなんと元キャスターの工房にいました。「切嗣にお前が見抜けたとしても、その逆はありえないわ」切嗣が綺礼のことを見抜いて最悪の敵とみなしていることを語り、切嗣は綺礼とはまったく逆の人間だと綺礼に語るアイリ。長きにわたり何の益もない戦いばかりに身を投じ、ただ殺戮ばかり繰り返してきた、自分と切嗣は同じだと思っている綺礼にとっては面白くない話のようで首をしめ切嗣が聖杯に求めるものを聞き出そうとする綺礼。「衛宮切嗣の悲願は、人類の救済、あらゆる戦乱と流血の根絶、恒久的世界平和よ」それを聞いた綺礼、闘争は人間の本性、それの根絶は人間の根絶と同義とし「そもそも理想として成り立っていない、まるで子供の戯言だ」とはなから否定。「だからこそ彼はとうとう奇跡にすがるしかなくなったのよ。あの人は追い求めた理想のために、常に愛する人を切り捨てる決断に迫られてきた。そう、切嗣は理想を追うには優しすぎる人。いずれ失うとは分かっていても愛さずにはいられない」結局切嗣と綺礼の違いって人を愛せるか愛せないか、って事ですよね。そのことを聞いた綺礼は冷やかな眼差しでアイリの首を絞め、殺しちゃいます!舞弥に続いて今回はアイリ、つくづく女性に厳しいアニメだ。しかもアイリの言葉で俄然やる気を出しちゃいましたよ!「遂に得たぞ、戦う意義を。衛宮切嗣、お前の理想、目の前で聖杯もろとも木っ端微塵に打ち砕いてやろう」うーん、人を愛せないものが人を愛せるものに向ける嫉妬、お、恐ろしい。この人間として必要な感情が欠け落ちているある意味異常者、言峰綺礼こんな魅力的な悪役は吉良吉影に匹敵するなぁ。
ウェイバーは丸一日眠ってたんですかね、真夜中に目を覚ますウェイバー。ライダーは本を読んでいました。いよいよ今夜あたりに決着がつきそうな予感がするというライダー「ここからは本当に強いものたちばかりということだ」とつぶやきます。そんな二人が窓の外に目にしたのは発光弾?ライダーによると魔力の波動らしいですが、赤が4つに青が7つ、達成と勝利を意味する狼煙のようなものらしいのですが、ライダーはその狼煙を挑発と受取り最後に戦いに赴こうと衣裳チェンジ(いままでアドミラブル大戦略のTシャツ姿でした)し剣を振りかざすライダー。あれ?牛さんはエクスカリバーにやられたのでは?と一瞬思いましたが、いましたね、黒王号が。愛馬ブケファロスを召喚しまたがり、ウェイバーに前に座るように促すライダー。しかしウェイバーは・・・
「我がサーヴァントよ、ウェイバー・ベルベットが令呪をもって命ずる。ライダーよ、必ずや最後までお前が勝ち抜け。重ねて令呪をもって命ずる。ライダーよ、必ずお前が聖杯を掴め、さらに重ねて令呪で命ずる。ライダーよ、世界を掴め。失敗なんてゆるさない!」もうここからがまた泣けてくるんですよね、やっぱりウェイバーくん主人公でした!他の登場人物はみんな超人的で、一番普通っぽいウェイバーが一番感情移入しやすいんですよね!こんな令呪の使い方ってありなの?効果あるの?しかしウェイバーの令呪使用、ここからは本当に強いものしかいちゃいけないんだろ、と自らの弱さを噛み締め、マスター権を放棄する事が目的のよう。ライダーに背を向けるウェイバー。でもライダーはそんなウェイバーの首根っこを捕まえ、馬に乗せます。「ばーかばかばか、あのなー、令呪ないんだぞー、マスターやめたんだぞー」ってウェイバーが可愛すぎる!!そしてウェイバーが一番欲していた言葉をかけるライダー「マスターじゃないにせよ、余の友であることに違いはあるまい!フフ」歯をむき出しにして微笑むライダー。この言葉にウェイバー涙を流し「僕が、僕なんかで本当にいいのか、お前なんかのとなりで、僕が、」「あれだけ余と戦場に臨んでおきながら、なーにを言うのだ、ばか者」腕を組み苦笑いしながら応えるライダー。ブケファロスまで呼応するようにいななき、見てるこっちまで泣けてきます。「貴様は今まで余と同じ敵に立ち向かってきた。ならば友だ!!胸を張って堂々と余に、比類せよ!!!」いくら意地を張ってもやっぱりライダーがすごい人物だと認めているウェイバー、その本人に友と認められる、ウェイバーにとってこんなに嬉しいことはないでしょう。この物語、やはりウェイバーくんの成長ストーリー、いよいよクライマックスを迎えました。ライダー陣営の結末は次回ぐらいに迎えそうで感極まれり、です。ウェイバーくんも感極まり、ライダーのマントをとり鼻かんじゃうところが微笑ましい。やっぱりこの二人がいないとこの物語は締まりませんね!「坊主、かつ目して見届けよ!」「あぁ、やってみろよ、この僕の目の前で!」この二人のやり取りを寝床で聞き耳を立てていたお爺さんもいい味出してます。
セイバーが、雁夜が、そして切嗣が、最後の決戦の場に、綺礼の元に向かう。市民会館には綺礼が、そしてアーチャーが。アーチャーが全開で戦ったら聖杯の儀式を危険に晒し兼ねないという理由でアーチャーは迎撃に向かうそうです。そんなアーチャーが綺礼に問います。「綺礼よ、どうやら戦う意味については答えを得た様子だが、今でもまだ聖杯に託す祈りはないのか?」「やはり願いなど思いつかん、しいて言うなら、この戦いに余計な邪魔が入らないで欲しいことくらいか」アーチャーは心に秘めたものは聖杯のほうに汲み取らすしかあるまい、とそれでも綺礼の心の奥にある願望を見抜いているようですが、気になりますね。人間として願いがない、という異常者綺礼。アーチャーはそんな空虚な綺礼の心の奥にどのような願望があると感じているのか・・・
いきなりエヴァかと思った!気持ち悪い。ホムンクルスであるアイリの失敗作でしょうか、廃棄されたマネキンがうずたかく積まれたような描写、そしておなつかしや、イリア登場。自分が盃になってしまうという怖い夢を見たというイリアをあやすアイリ・・・心象風景?しかしその風景も黒いしみのような、カビのようなものに埋め尽くされていき、漆黒の液体が地面に満ちていく。小さな手(ハガレンの「真理」みたいな奴)がうにょうにょ無数に伸びてきてアイリを黒い液体の中に引きづりこまれていく、この描写は何を表すのか?真っ白い世界、立ち尽くすアイリ「あぁ、そう、ここは聖杯の仲。万能の願望器がこの世の全ての嘆きを刈り取り、全ての苦悩を取り払う、かなえる力が手に入る。終りはもうすぐそこまで来ている」宙を見上げるアイリの瞳がアップしていきその瞳孔の中には別のアイリが宙を見上げる姿がそして浮かべる邪悪な笑み?ライダーも言ってましたがそもそも「聖杯」なるものは本当に存在するのか、最後の最後まで目が話せません。
次回「最果ての海」やっぱり次の対戦カードはライダーVSアーチャー!こりゃ来週は暑くなりそうだ。結果はなんとなく予想がつきますが、ライダの雄姿をしかと目に焼き付けねば。え?来週ないの?
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コメント
>そもそも「聖杯」なるものは本当に存在するのか、
一応冬木の「聖杯」は聖堂教会から第七百二十六個目の聖杯候補と表向き発表されてるけど聖堂教会並びに始まりの御三家は、別の目的の物である事を知ってる。
>瞳孔の中には別のアイリが宙を見上げる姿がそして浮かべる邪悪な笑み?
サブタイが関係してます^^;
あと前回コメしてなかった、ぞうげんについて
あれでも元々崇高な理想を遂げようともがいたのが長い年月の末に本来の目的を忘れた上に妄執だけが残り外道に堕ちた存在なんですよね^^;とあるキャラと似たような願いだったんだけどね。
投稿: m | 2012年6月 3日 (日) 22時37分
ウェイバー君が使った令呪ですが、実は曖昧だったり長い範囲の命令は効果が弱くなりサーヴァントを律っしたり、強化するにはあまり意味をなしません。
s/nの凛も自分のサーヴァントに「私の命令に従え」というような令呪の使い方をしてサーヴァントに呆れられていました(ただ凛の魔術師としての才能と実力のおかげでサーヴァントの予想よりは効果がありましたが)
逆に「次の一撃を死ぬ気で放て」「今すぐここまで瞬間移動して来い」という単一命令ならかなりの効果と強制力があります。
時臣も「英雄王、怒りを沈め撤退を」というふうに単一の命令ならいくら上位サーヴァントでも逆らうのは難しいです。逆に「この戦いに勝ち抜け」「自分の命令に従え」というふうな命令をしても意味がなくギルを御しきれないし、怒りを買って大変なことになるだけですがw
だからウェイバー君の命令はマスター権を放棄するための令呪消費と征服王への思いや願いですね。
投稿: アメショー | 2012年6月 4日 (月) 11時09分
m様、またコメントありがとうございます!
>サブタイが関係してます^^;
はい、この物語の展開上、聖杯は切嗣が恋焦がれるような奇跡を実現するようなものではない気がしてきています。持ち上げて落とす、いや地に叩きつけるのがFate/Zero(^^;。化物語の「猿の手」のような…ものの感じがしますね…「この世全ての悪」もしこのサブタイトルが聖杯の本質を現わすものであったとしたら…切嗣が…可哀想だよぅ。
>とあるキャラと似たような願い
エー、どのキャラとですかー?あのゾウゲンが?
投稿: くまっこ | 2012年6月 4日 (月) 22時37分
アメショー様、またコメントありがとうございます。
スッキリしました。最後まで勝ち抜け、って言う命令で本当に最後まで勝抜けるんだったらみんな令呪を使ってその命令を出しますもんね。やっぱりライダーが思い存分戦えるために足手まといの自分がマスター権を放棄する為の令呪使用ですよね。アレだけ意地を張っていたウェイバーくんが自分の弱さを認めてそれでもライダーの勝利を願い令呪をもって祈りを捧げる、着実に成長しているウェイバーの姿を見るのは本当にワクワクします!ライダー陣営はこの物語を生き抜くことが出来るのか…来週がもう待ちきれませんね。
投稿: くまっこ | 2012年6月 4日 (月) 22時52分
ウェイバー君が消費するために使った令呪ですが、聖杯戦争のセオリー通りなら無駄に思える使い方ですが同じ方向性の命令で、しかも令呪を3つも使っていますからねぇ…
凛の件でも書いたとおりマスターの実力や命令の相性、サーヴァントとの関係性によっては矛盾しているようですがこれが全くの無駄とも言い切れないんですよね。
戦いにおいて無駄な行動が思いもかけない効果を生むこともありますし、逆に用意周到に計画し、準備していても失敗することもありますから(…けしてケイネス先生や時臣のことではありませんw)
投稿: アメショー | 2012年6月 5日 (火) 00時46分
アメショー様、またまたコメントありがとうございます。
>これが全くの無駄とも言い切れないんですよね。
もう無駄でないことを祈っています。おそらくライダー陣営が当たるアーチャーはおそらくはラスボス。勝てないまでも奇跡を祈っている限りです。出来ればウェイバーとライダーのコンビは聖杯戦争が終わっても続いていって欲しい・・・
いろいろとご親切なフォローありがとうございます!
投稿: くまっこ | 2012年6月 5日 (火) 22時43分